今度は復讐だ!〜映画『30デイズ・ナイト2:ダーク・デイズ』

30デイズ・ナイト2:ダーク・デイズ <未> (監督:ベン・ケタイ 2010年アメリカ映画)


ヴァンパイアによって98人の犠牲者を出したアラスカ州の町バロウ。事件から一年、その町の数少ない生き残りであり、夫をヴァンパイアによって失ったステラは、事件の真相を世間に伝える為アメリカの街々を公演していたが誰一人として信じる者はいなかった。しかし、そんな彼女に密かに接触する集団がいた。彼らはステラと同じく肉親をヴァンパイアによって奪われ、復讐を誓った者たちだった。折りしも彼らはある情報源から、ヴァンパイアたちの首領であるリリスが潜んでいるという場所を知ることになる。大量の銃器を携え、ステラと仲間たちはヴァンパイアとリリスのいるという根城へと潜入する。"30日の極夜"の町でのヴァンパイアと人間たちの死闘を描いた『30デイズ・ナイト』の続編。
前作では極寒と暗黒に閉ざされた町での殺戮劇でしたが、この2作目ではロスアンジェルスの街を舞台に物語りは進行します。前作で一方的に屠られていた側が今度は狩る側へと転じるのです。1作目のラストで夫を失うという悲劇に見舞われた女性が復讐の為に立ち上がるんですね。ストーリーは原作コミックをほぼ踏襲した形になっており、この2作目ではボスキャラであるリリスをはじめ、ヴァンパイア協力者のFBI捜査官、逆に人間側に協力するヴァンパイアなどが登場し、1作目とは違う流れになっているところが新しいですね。ただし、主演ジョシュ・ハートネット、プロデューサーにサム・ライミを迎え、そこそこの話題作として公開された前作と比べ、この『ダーク・デイズ』は映画ではなくオリジナルビデオ作品として低予算で製作されており、日本でもDVDスルー作品になっています。
確かに1作目と比べると締りの無い部分が見受けられるのは確かです。主人公ステラの仲間に3人の男女が登場するんですが、最初コワモテな戦闘集団のごとく登場する彼らがいざヴァンパイアの本拠地へと潜入すると、アサルトライフルやら機関銃やらを手にしている割にはフォーメーションはなっていないし軽装だし、潜入計画自体なんだか杜撰だったりするし、挙句の果てにその中の1人の女なんてすぐ「私もう帰りたーい」とか抜かす根性の無いヤツで、これでホントに今までヴァンパイア狩りなんかしてたのか?と首を捻りたくなってくるような体たらくなんですよ。なんだか「これからぶっ殺しに行きます」という気迫や緊張感が無いんですよね。ハートマン軍曹に一回鍛え直してもらう必要があると思いましたね。
ただし主人公ステラはやはり凛々しく女戦士然とてハードボイルドな雰囲気を醸し出していました。そういった意味では『エイリアン』シリーズのシガニー・ウィーバー、『バイオハザード』シリーズのミラ・ジョボヴィッチみたいな"戦う女戦士"の系譜上にある映画として観る事も出来ますね。主演を演じたキエレ・サンチェスは地味な経歴の女優さんですが、やっぱり"戦う女戦士"役だとカッコよく見えちゃいますね。対するリリス役の女優さんもヨーロピアンなダークさを醸し出していてよかったですよ。まあ、作品の出来としてはそれほどでもないんですが、『30デイズ・ナイト』の後日談ということで、前作を楽しめた方にはそこそこ面白く観れるんじゃないかな。
参考:30日間の闇の中で繰り広げられる吸血鬼サバイバル!〜映画『30デイズ・ナイト』 『30デイズ・ナイト』コミック・シリーズ

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