映画『オフロでGO!!!!!タイムマシンはジェット式』は80年代テイストむんむんだった!?

■オフロでGO!!!!!タイムマシンはジェット式 <未>(監督:スティーヴ・ピンク 2010年アメリカ映画)


「タイムマシン」の映画というとオレのような年寄りはH.G.ウェルズ原作でジョージ・パル監督による『タイムマシン』をまず思い出しますな。オレより一回り下の世代の方だと映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズということになるのでしょうか。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』ではスポーツカー型のユニークなタイムマシンが登場していましたが、この映画『オフロでGO!!!!!タイムマシンはジェット式』ではなんとお風呂(ジェットバス)がタイムマシンとして登場します。

お話は負け犬連中4人組が気晴らしにスキーリゾートに行く所から始まるんですな。連中は24年前に来た事のある思い出のホテルに宿泊、そこのジェットバスに入って酒飲んでたらなんだか意識が朦朧と…。目が覚めてスキー場へと行ってみるとなんだか周りの連中のファッションがおかしい。時代遅れでダサイ。ロッジでは古臭いロック・ミュージックがガンガンに流れてるし、TVで演説しているのはありゃレーガンじゃないか!?なんだ俺たち、24年前のあの日にタイムスリップしちゃったんじゃねーの!?…というところから騒動が始まるわけなんです。

いわゆるタイムトラベルもののお話は基本的にタイムパラドックスに関わるものが多いですな。例えば『バック・トゥ・ザ・フューチャー』では自分が過去に行ったことによって変更されてしまった事柄をなんとか元に戻す為に四苦八苦するという物語だったし、『ターミネーター』なんかでは未来を変える為に過去へと刺客ロボットがやってくるというお話でしたな。で、この『オフロでGO!!!!!』の基本ルールは"未来が変わっちゃうばかりじゃなく地球が無くなってしまうかもしれないから絶対24年前と同じ行動をとらなきゃならない"というものなんです。24年前ここでボコられたヤツも彼女に振られたヤツも、そうなるのを知っていてあえて悲惨な目に遭わなきゃならない!というのがこの映画のポイントです。

しかしそこは負け犬連中、過去に戻ってもやっぱり負け続けるのに嫌気が差し、未来なんてどうだっていい!ここで楽しむんだ!と暴走し始めちゃうんですな。この簡単に刹那的に流れちゃう所が負け犬の負け犬たるゆえん!もう未来も地球もどうなったって構いやしねえ!と煩悩の赴くままに行動するから困ったモンです。さらに映画『若き勇者たち』を観たばかりのガキどもに「ソ連のスパイだ!」と追い掛け回されもう大変。映画は80年代の風俗を笑いものにしたり懐かしんでみたりしながら進んでいきますが、まあ確かに今見るとちょっと恥ずかしいものがあるよなあ80年代…。自分の80年代も恐ろしく恥ずかしかったよなあ。いや今も十分恥ずかしいけどさ、あの時代に戻ったら、地球や宇宙がどうなろうと絶対全部やり直すよな!