トレホ兄ィも大出演!映画『デス・レース2』は『2』だけど『1』の前日譚だった!

デス・レース2 (監督:ロエル・レイネ 2010年南アフリカ共和国映画)


ジェイソン・ステイサムの主演で2008年に公開されたディストピア・アクション『デス・レース』は爆炎と破壊と殺戮に満ちたとっても楽しい作品でありました。その『2』が今回DVD・BDで出るという事でチェックしてみたんですが、主演はジェイソン・ステイサムじゃなく、さらに本国でもDVDスルー作品だったらしいんですね。まあしかしなんだかオレ向きのボンクラ臭い映画じゃないですか。と言う訳でいったいどんな出来具合になっているのか観てみることにしたんですが、なんと、初っ端の刑務所シーンから、あのダニー・トレホ兄ィが登場!おおおこれは嬉しい悲鳴をあげざるをえない!トレホ兄ィが出てるんなら内容云々に関わらず観る価値がある映画に決まっている!もうこの冒頭から期待は高まるばかりですよ!

そして観ていて段々判ってくるんですが、この『2』、実は『1』の前日譚を描いたものだったんですね。映画冒頭では刑務所から囚人同士のデスマッチを放送しているという設定になっていて、それがどう『1』の"死のレース"へと変わって行ったか、というのがここで描かれていくわけです。しかも、『1』の冒頭で登場した覆面レーサー"フランケン"がどのように生まれたかの物語でもあるんですよ。ちゃんと繋がっているんですね。逆に『1』を観ているとフランケンの最後の運命を知っていることになりますから、ちょっと切なくなるお話でもありますね。さらに、『1』で登場したあの韓国人レーサー14Kがここでは割とイイヤツで出てくるのも嬉しいし、『1』の女鬼所長が写真でだけちらりと出てきます。

『1』と『2』の演出の違いを見ると、例えば『1』と違って刑務所所長が物分りがよく、"死のレース"なんかやらせられない!とか言ったりしているんですね。その割りにはデスマッチはやらせてますけどね。で、そこをデスマッチの視聴率がなかなか上がらずに上層部からガタガタ文句を言われていたTV局の女重役が無理矢理ねじ込んで「デス・レース」をおっぱじめちゃう流れとなっているんですね。この女重役がなかなか下品で性格が悪くて香ばしいビッチぶりを醸し出しております。また主人公は『1』のステイサムと違いはなからの悪党なんですが、親分を売らない、と仁義を通したばかりに刑期が長くなってしまう、という男振りのよさを見せ、逆にその結果デスレースに駆り出されてしまうのです。

ただ刑務所に放り込まれた主人公がデスマッチを経てデスレース開催まで辿り着くのがちと長いので観ている方はしばし我慢を。この辺相当低予算で作っているだろうと思われる画面が続きますが、意外と頑張っていて好感触です。それにトレホ兄ィの気さくな凶悪犯罪者振りを眺めていれば全然気になりません。そして後半デスレースが始まるや否や物語は急発進、ああここで予算使ったのか!と思わせるモンスター・カー同士の応酬に、気分はいやが上にも盛り上がるというもの。勿論助手席にはナビゲーターのエロいチャンネーが乗っていて、主人公との協力プレイがまた心をくすぐります。この映画『デス・レース2』は『1』ほどの派手さはありませんが、『1』好きの方ならきっと気に入るだろうなかなかにいい出来具合の作品になっておりましたよ。

デス・レース2 [DVD]

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