映画『レギオン』はどっちかっつーと『ショボボン』だったッ!?

■レギオン (監督:スコット・スチュワート 2010年アメリカ映画)


アメリカの荒地だらけの片田舎で天使同士が大戦争するっていうお話ですが、それってどんな『ゴッド・アーミー 悪の天使』?ってついつい思っちゃいますな。でも『レギオン』に登場する天使の方は柵の上に鳥みたいに止まってクルックーとか言ったりはしません。マッチョな天使が出てきますが『ドグマ』とも関係ありません。お話は「人類もうイラネ」と決定した神様が天使を差し向けて人類を皆殺しにしようとするって所から始まるんですな。しかし「そりゃあんまりだ」と反抗する天使もいて人類を守ろうとするんです。

で、どうやらその人類救済の鍵となるのがこれから生まれようとしているある子供らしいんですな。なんでその子が人類救済の鍵になるのかはよくわかりませんが、きっと成長したらレジスタンスの親玉になってスカイネットの殺人ロボットと戦っちゃうからなんだと思います…ってそれは『ターミネーター』っすか。舞台となるのはひなびたダイナー、ここに居合わせた人たちが天使の操るゾンビ化した人間たちと戦うことになるんですが、この辺は『パラダイム』ぽいですな。ダイナーに篭城した人々が外敵と戦うっていうのは『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』や『フィースト』を思わせます。このダイナーに最初に送り込まれるのが『スペル』みたいな強烈ババアで、ハエのたかったステーキ食ったかと思えば天井這い回ったりするんですよ。このババアが一番インパクト強かったんですが、なんかその後が地味展開で…。

だいたい「黙示録の戦いだッ!」とか言いながら人類の敵味方の天使は一人ずつしか出てこないのがちょっと寂しいです。「天使の軍団」たってゾンビだしねえ。あとの天使はきっとサボってるんだと思います。「人類?タルイよねアレ」とか言ってパルテノンの裏でみんなでモク吸ってるんでしょう。で、地上に降りてきた天使のお二人は戦うときになんか超能力とか使うのかというとそういうわけでもなくマシンガン乱射したりモーニングスター振り回したりするんですが、意外とこっちのほうが見た目的に納得出来るものがありましたね。

それにしても発端は人類の危機とかデカくブチかましてくれたわりには段々としょぼくなってゆく所が悲しかったです。なにしろ登場人物たちのグダグダしたドラマがホントに邪魔で途中からうんざりさせられます。そんなでしたから「どうでもいいから早く火の海血の海大洪水その他カタストロフしまくって人間どもがドバドバ死ぬ阿鼻叫喚の地獄見せてくれよう神様よう!あんたいったいやる気あんのかよう!?」とちょびっと焦れったく思いつつ観ていたオレでありました!