映画『トイストーリー3』は『アダルト・トイストーリー3 TENGAの復讐!』では決して無かったッ!?

トイストーリー3 (監督:リー・アンクリッチ 2010年アメリカ映画)


トイストーリー3』観たんだけどね。さすがピクサー、よく練られたシナリオと生き生きとしたキャラクター、そしてそれを完璧に表現するCGグラフィック、実によく出来た映画だと思ったよ。しかし確かに悪くないんだけど、新鮮味もなくてさ。まあ3作目だもんね。いつものキャラたちが、相変わらずの性格で、ドタバタとドラマを繰り広げるのって、安心感があるし、いつまでも続いてもいいんだけども、やっぱり何か成長させなくちゃアカン、ということで、ここで成長しちゃったのは、オモチャの持ち主であるアンディ君なんだよね。そりゃオモチャが成長しちゃおかしいからね。オモチャって、永遠の子供時代、ってことだからさ。アンディ君は17歳になって大学に進学するために引っ越すことになったんだけど、それまでアンディ君のお部屋にあったオモチャたちは捨てられるのか否か?というお話なんだよ。

でも1作目から10年後ってことなんだけれど、アンディ君、7歳の時とかに遊んでいたオモチャを、よくもまあ17になるまで部屋にとっておいたよね?その歳になるまでアンディ君は他の趣味には目覚めなかったんだろうか?部屋の描写とか見てもあんまりそれが伺えなかったんだけど、なんかこう、ロック聴きまくってたりとかさ、ビデオゲームやったりとかさ、スポーツにハマったりとかさ、そういうこと全然無かったんだろうかアンディ君?あと、その歳まで、全然彼女を部屋に呼んだりとかしなかったんだろうか?やっぱさあ、女の子によっちゃ、子供の頃のオモチャを大事に抱えてるアンディ君をキモイ、って思うかもしれないよね?そういうの、思春期過ぎると、結構気にしたりするもんじゃん?そういうのゼーンブ、無かったのかなアンディ君?

で、アンディ君、大学での新しい生活の場に、オモチャ持ってくかどうか悩むんだけど、いやそれ、悩むか?17歳で?で、さんざん悩んでカウボーイ人形は持ってくことにしたみたいなんだけど、持ってくんだ、やっぱり?いわゆるライナスの毛布ってヤツなんだろうが、ってことは、アンディ君、結構甘えん坊なのかもね。でもさあ、例えばこれが日本が舞台で、大学入学で上京するってんで、実家からドラえもんピカチュウのぬいぐるみどっち持っていこうか?って悩む17歳が主人公だったらどうよ?まあ別にいたっていいけど、あんまり一般的じゃないような気がするし、見ようによっちゃキモチワルイことかもしれないよね。だから、この映画の、オモチャたちが演じるドラマやドタバタはよく出来ていたと思うし、楽しめたんだけれど、大人になって、オモチャから卒業するってことを描くアンディ君の部分が、感傷的に描かれれば描かれるほど可笑しくってさ。

要するに、これって子供のイノセンスがどうとかいうことじゃなくて、17になってもオモチャを手放せないオタクの物欲のお話でしか無いってことなんじゃないのか?オモチャのキャラがウッディさんやバズさんだから見た目はポップに見えるけどもさ、これが超合金マジンガーや回るライダーベルトが手放せない17のガキの話だったら、果たして泣けるのかね?美少女フィギュアやアニメキャラ抱き枕やアイドルブロマイドから卒業しなければならない青年の話だったらどうするよ?そりゃ当人にとっては切実かもしれないが、観ている方はとりあえず笑うよな?どうも綺麗事に流れちゃって好青年演じちゃっているアンディ君に微妙にイラッときて「お前が本当に大学に持って行きたかったのはぱっくりワレメの写ったヤラシイ写真なんだろ!?」と小一時間ぐらい問い詰めてやりたくなったすっかり汚れたオッサンのオレでありました。

トイストーリー3 予告編