アイヴィー、そしてブルックヴィル

アイヴィー

そういえばアイヴィーは今どうしているのじゃろう、と思ったのである。アイヴィーとは1994年、アメリカNYで結成された3人組ポップ・グループで、非常にドリーミーかつ浮遊感溢れるサウンドが特徴のバンドであり、これまでに5枚のアルバムをリリースしている。とても洗練されたそのポップ・センスは、ファウンテインズ・オブ・ウェインのアダム・シュレジンジャー(B)、そしてタヒチ80のプロデューサーとして知られるアンディ・チェイス(G)の力によるものだが、なによりフランス生まれの女性ヴォーカリスト、ドミニクのアンニュイでキュートな歌声がバンドの魅力を決定付けているだろう。オレは3rdアルバム『Long Distance』からハマッたクチだが、ロックなんて全然聴かなくなっていた時期だったのに、このアルバムだけはしつこいぐらいによく聴いた。非常によくコントロールされた音のスムースさと耳障りのよさが実にクールだったのだ。もちろんその後アルバム・シングルを全て集めたのは言うまでも無い。

○Long Distance / Ivy

Long Distance

Long Distance

○Ivy - Edge of the Ocean

■Paco

2005年発表の5thアルバム「In the Clear」から音沙汰の無かったアイヴィーだが、現在はメンバーがそれぞれ別ユニットで活動しているらしい。
アンディとドミニクのユニットPACOはスモーキーでメランコリック、エレクトリック中心の音が展開する。アルバム『This Is Where We Live』はアイヴィーよりも淡白ではあるが、奇妙に穏やかな音が心地よい。

○This Is Where We Live / Paco

This Is Where We Live

This Is Where We Live

■ブルックヴィル

アンディ・チェイスは自身のユニット、ブルックヴィルを結成している。

このブルックヴィルが音的な部分でアイヴィーの後継者となるのだろう。ポップ・センスはさらに磨きがかかり実に都会的、メランコリックなメロディーと絶妙に配置されたアコースティックとエレクトリックのバンド・サウンド、アンディのハスキーなヴォーカルはその音の中をハードボイルド・ヒーローのように彷徨って行く。なんだかむさくるしくて草臥れたルックスがまたいいんだよ。ロックのはっちゃけた元気を通過して、酸いも甘いも噛み分けたオッサンが聴けるロック、それがブルックヴィルだといえるかもしれない。

○Brookville 'Great Mistake'

○Brookville - Break My Heart

○Broken Lights / Brookville

Broken Lights

Broken Lights

○Life in the Shade / Brookville (国内盤)

ライフ・イン・ザ・シェイド

ライフ・イン・ザ・シェイド

○Life in the Shade / Brookville (輸入盤)

Life in the Shade

Life in the Shade

○Wonderfully Nothing / Brookville

Wonderfully Nothing

Wonderfully Nothing