バカ映画2本観た〜『ROCKER 40歳のロック☆デビュー』『スーパーヒーロームービー!!−最'笑'超人列伝−』

■ROCKER 40歳のロック☆デビュー (監督:ピーター・カッタネオ 2008年アメリカ映画)

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仲間のメンバーのメジャーデビューと引き換えにバンドから追い出され、それから20年負け犬人生を歩んできた中年男がひょんなことから高校生バンドに参加、それがあれよあれよという間に人気者に!?遅咲きロッカーの生きザマ見せちゃるぜ!というコメディ映画です。顔も行動も暑苦しくて人騒がせでおまけに脂っぽいメタボなダメ中年主人公が「ろっくんろぉ〜〜〜るッ!」と叫ぶとこなんざなんだかジャック・ブラックを思い出させますが、それと同時に自分自身も思い出しちゃいますな。オレの場合は「ろっくんろぉ〜〜〜るッ!」とは叫ばずに「ピザとビィ〜〜〜ルッ!」と叫んじゃいますけどな。まあこんなオレも若かりし頃はロックミュージック聴いているというだけでイキがってたチンカス臭いガキでしたけどね。今は普通に加齢臭漂わすおっさんと化しておりますが。
で、この『40歳のロック☆デビュー』ですけど、高校生バンドの楽曲が映画の為に書いたと思えないぐらいイイ感じの音を出してまして実にカッコイイのですな。「A.D.D.(注意欠陥障害)」というバンド名もイカしてるじゃないですか。これ、バンドリーダー役のテディ・ガイガーの手によるものらしいですが、彼って実際にも実力派のシンガーソングライターということらしいですな。なるほど。映画の方は高校生バンドが出来過ぎなくらいトントン拍子に売れっ子になっていきますが、このぐらい調子よく描いてくれたほうが観ていて小気味いいのも確かであります。彼らが注目を集めたのがYouTubeで流れた演奏風景がきっかけだった、というのも今風で説得力があるじゃないですか。しかし主役はやっぱりメタボおやじ、「おめーらロックやってんだからオフでも大人しくしてんじゃねえ!ロックは暴走だ!暴走と乱痴気騒ぎなんだ!!わっはっは」とか迷惑千万なことを喚いては若者たちにウザがられます。こんな勘違いおやじのペーソスと若者たちの瑞々しさが交じり合って、とても好印象なバカ&ロック映画でありましたよ。(※このDVDは「TSUTAYA独占レンタル」扱いになっています)

■スーパーヒーロームービー!!−最'笑'超人列伝− (監督:クレイグ・メイジン 2008年アメリカ映画)

『最終絶叫計画4』の監督とスタッフが集結して製作、ということで全て説明されてしまうような映画ですな。相変わらずというか性懲りも無くというか今回も映画パロディ、そして描くは『スパイダーマン』ならぬ『トンボ男』…このへんでスルーしたくなるのが普通の神経かもしれませんが、これが観てみると意外と頑張っているではありませんか。というか実はバッタもんの巣窟みたいな『最終○○』関係、ちゃんと観た事があるのは『ディザスター・ムービー!最‘難’絶叫計画』だけなんですが、下らないなりに仕事している所はちゃんと仕事しているんですねえ。
で、この『スーパーヒーロームービー』も、映画の『スパイダーマン』をおそろしくきちんとなぞりながら(ひねりが全然無いとも言えるが)、合間に『X-MEN』や『ファンタスティック・フォー』あたりのアメコミ映画のパロディをほんのちょっと入れ、なんだかそれらしく仕上がっているというわけであります。CGや特撮もなんとなく入り、金掛ける所は掛けてるんですね。まあ微々たるもんでしょうが。そしてなにより嬉しいのは本家『スパイダーマン』よりもヒロインが若干カワイイということですな!しかしあくまでも「若干」であって「とてもカワイイ」というわけではないという微妙なところが絶妙であります!これもある種のパロディなのでしょうか!?
それにしても世の中には蜘蛛だのバッタだのが化身したヒーローものが数々ありますが、トンボのヒーローってなんだか聞いただけでヘボそうですよねえ。ショッカーの怪人にもトンボ関係の方とかいたのかなあ。なにしろあの細っこい所がヘボそうだもんなあ。それと「裸の銃を持つ男」のレスリー・ニールセンも出演していますが、これで嬉しくなる人は世の中に何%いるのかは謎です。