20周年だった

ついこの間、会社から「勤続20年」の表彰を受けた。いやーこんな会社にこんなオレが20年っすかー。人生の半分の時間は仕事やってるわけだし、人間関係だの社会だのは殆どここで学習してきたわけだし、思い出だって無いわけじゃない。しかし自分はそんなに優秀な社会人でも会社人でもなかったし、その思い出だっていいことばかりではもちろん無い。嫌になって辞めてしまいたくなった事だってある。その時本当に辞めて別の仕事と別の人間関係と別の人生を得ていたかもしれないということはたまに妄想する。結局我慢してこうしてそこそこの立場にいてある程度の収入を得ている今、というのもある。どっちがよかったか、正しかったか、なんていうのは考えてみても判らない。自分の人生に「こうしていたら、こうしていれば」なんていう"たられば"を持ち込むのは不毛だし無益だということぐらいは判っているから、オレは決してしない。ただ「こうした」と「こうしなかった」の選択の結果の現在があるだけだ。不満や後悔が無いわけじゃあない。しかしその選択が愚かであろうと拙いものであろうと、それはオレという人間の責任でもって引き受けなければならない。ただ、ひとつだけ思うのは、オレも、ずいぶんと、歳を取ったんだなあ、ということだ。
「勤続20年」ということで会社からほんのちょっとだけ報奨金が出た。オレはそのお金で、そんなに高くないウィスキーと、輸入物のヴァイツェン・ビールを買ってきて、相方さんとささやかながら祝杯をあげた。アイラ島シングルモルト・ウィスキー『THE ILEACH』は、そこそこに美味しかったですよ。