オレとパブリック・イメージ・リミテッド

■オレと『メタルボックス

Metal Box (Vinyl Replica Edition)

Metal Box (Vinyl Replica Edition)

パブリック・イメージ・リミテッド(PIL)の『Metal Box』といえばオレのようなニューウェーブ世代にとっては説明する必要の無い神アルバム中の神アルバムでしてな。オレもコーコーセーの頃は毎日大音量でぶっかけていたものです。あまりの音量に部屋にあった風船がパンッ!と割れた事もありましたよ。パンク+ダブの手法で作られていたんですが、フリーキーなギター、中東風のヴォーカルと合わせ、スピーカーのコーンが破れるんじゃねえかと思っちゃうようなベースの重低音ぶりが凄かった。この組み合わせが当時は相当"新しかった"んですよね。なにしろPILの『Metal Box』は当時のオレの音楽好きの仲間はみんな聴いてましたね。
そしてなによりこのアルバムを特長づけていたのは、12インチ3枚組のアナログ盤がまあるい金属缶に入れられてリリースされていた、と言うことでしたな。だからこそ、アルバムのタイトルは『Metal Box』となっているわけです。しかしこの仕様はイギリス本国だけで、日本では2枚組で普通の紙ジャケで発売、その為マニアックな人達はこぞって缶入り輸入盤を手に入れようと躍起になり、お陰でオリジナル盤はプレミア価格がついちゃってコーコーセーのオレなんかにはとても手の出るモンんじゃなかった。
さて今回、リリース30周年ってことでデジタル・リマスターされオリジナルと同じ3枚組のCDということで再発売されたんですが、CDサイズに小さくなったものの当時の缶ケースのレプリカがジャケットに使用されておリ、これこそ紛う事無く『Metal Box』!当時缶入りを買えなかった怨みを晴らすべく、ついつい購入してしまいました。まあ名盤とはいえ今更30年前のアルバムを聴きたいとは思わなかったんですけどね。こういう暗さや重さって、今のオレはもう必要ないし。

■オレとセックス・ピストルズ

●Never Mind the Bollocks Here's the Sex Pistols

Never Mind the Bollocks Here's the Sex Pistols

Never Mind the Bollocks Here's the Sex Pistols

セックス・ピストルズのデビュー・アルバム『Never Mind the Bollocks Here's the Sex Pistols』を初めて聴いたのはオレが中学3年の時でしたかね。当時ハード・ロックを聴いていた友人が「これが今一番新しいらしい」と言って聴かせてくれましたが、イエスピンク・フロイドみたいなプログレを聴いていたオレには「随分キンキンした金属的な音だな」と思え、それほど面白くありませんでした。しかしその後じわじわとパンク/ニュー・ウェーブ系の音が流行り始め、それらの音に耳が慣れてきた頃にピストルズにもう一度触れて、これはカッコイイ、と思えるようになってきたわけです。あの頃はパンク系というとストラングラーズとかスージー&ザ・バンシーズあたりが好きでよく聴いていましたね。

■パブリック・イメージ!

●Public Image

Public Image

Public Image

●Second Edition
Second Edition

Second Edition

セックス・ピストルズ解散後ジョニー・ロットンジョン・ライドンと名前を改め、バンド"パブリック・イメージ・リミテッド"を結成します。このPILの1stアルバム『パブリック・イメージ』を聴いたのは『Metal Box』(2枚組紙ジャケット版は『Second Edition』というタイトルでしたが)が出た後に「PILってなんかスゲエ」と思って遡って聴いたような気がします。アフター・パンクを模索する姿勢がとても伝わってくるアルバムでした。
●The Flowers of Romance
Flowers of Romance

Flowers of Romance

PILの3rdアルバム『The Flowers of Romance』はオレが19になった頃にリリースされたのかな。ちょうど上京したての頃で、まだ馴染めない東京のコンクリートアスファルトだらけの索漠とした風景にこの音はなんだかフィットしました。
●Paris au Printemps
Paris in the Spring

Paris in the Spring

PILのパリ・ライブ。ライブの最中、騒ぐ観客に低い声で「しゃらぁーっぷ」と釘を刺すジョン・ライドンがカッコよかった。
●Live in Tokyo
Live in Tokyo

Live in Tokyo

PILライブ・イン・トーキョー。新宿さくらや前で撮ったジャケット写真が面白かった。ここで収められた公演かどうかは忘れたんですが、PILのライブは一度行ったことがあります。場所は中野サンプラザの2階席だったかな。このアルバムもそうだったけどセックス・ピストルズの曲もやっていて、ファン・サービスとしてはありがたいのかもしれませんが、なんだか初期のとんがっていたPILとイメージが違ってきていて、あんまり好きじゃなかったな。
●Compact Disc
Compact Disc

Compact Disc

で、この4枚目ですっかり単なるハード・ロックになってしまい、音的に興味が薄れてきて、このアルバムを最後にPILは聴かなくなってしまいましたね。
●The Greatest Hits, So Far
Greatest Hits So Far

Greatest Hits So Far

ベスト・アルバムも出てるけどPILは2ndと3rdを聴いておけばいいと思うなあ。