■Kokoro/心 ― You Are Nothing Without Your Heart / Ian O’Brien
イアン・オブライアンの新旧作品・リミックスを集めたコンピレーション、そのタイトルは日本語で「心」!ロス・ヘルマノスとの共作もあり!イアン・オブライアン自身はこのタイトルをクリエティブ・マインドといった意味で付けたのらしい。コンピレーションという体裁にも拘らずアルバム全体に非常に統一感があり、驚くほどクオリティの高いトラックが並ぶ。そのどれもが
デトロイト・テクノ愛に溢れたロマンチズムと美しさを湛え、そしてどこまでもソウルフルで開放的な高揚感に満ちている。時折
Galaxy 2 Galaxyあたりの新曲を聴いているような気さえしたぐらいだ。今コズミック・ソウルの正統な後継者はこのイアン・オブライアンなのかもしれない。これは大傑作といってもいいだろう。聴いているとむやみやたらに希望が湧いてきてしまうぞ!
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■Oscar Mulero Tresor Mix: Under Review
ベルリンを拠点に世界のテクノ・シーンを牽引し続けてきたテクノ・レーベルの老舗中の老舗
TRESOR、その20年の歴史の中で活躍してきたテクノ・アーチストのトラックで占められたMixCD。収録されているのは
MODEL 500、
ROBERT HOOD、
JEFF MILLS、MAURIZIO, X-101、DREAXCIYA、SURGEONなどなど
泣く子も黙るラインナップ。Mixを手掛けるのはスペインを拠点として活躍するOscar Mulero。オレも昔は
TRESORのCDはよく買っておりました。当時は実にひんやりとしたイメージのMixが多かったんだけれど、この『Oscar Mulero
Tresor Mix: Under Review』は実にホットな仕上がり、そしてガチガチにハードという訳でもなく今風にマイルドなのがまた嬉しい。年末には
TRESORのドキュメントDVDも出るとか。
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■Tribute To The Sun / Luciano
RICARDO VILLALOBOSと並びクリック/ミニマル・ハウス・シーンの最先端を走るチリ出身のプロデューサーLucianoのフル・アルバム。そのトラックはどれもラテン・アメリカ気質を感じさせる開放的で変幻自在なリズムを刻み、そして万華鏡のように様々な表情を見せる。アルバム前半はオーガニックで民俗音楽風の音も混じった実に明るくリラックスしたトラックを聴くことが出来る。これがなんだか変な音が沢山飛び出してとても楽しかったりする。そして後半では本領発揮したテッキーなミニマル・チューンが並んでゆく。なお今回のCDにはDVDが付いていて、ツアー最中のLucianoのフレンドリーな笑顔を拝むことも出来る。
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■Hidden Conversations / Terry Callier, Massive Attack
Terry Callierについては全く知らなかったのだが、フォーク・ジャズのパ
イオニアと呼ばれ30年以上のキャリアを持つ黒人アーチストなのらしい。そのTerry Callierの
マッシブ・アタック・プロデュース曲3曲を含むアルバムがこれ。勿論
マッシブ・アタック目当てで聴いてみたのだが、ドラマチックで力強いヴォーカルとアコースティック主体のオケにマッシブのメランコリイがじわじわと被さる作りになっている。でもちょっとオレ好みの音じゃないなあ。
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