アコギなババアに呪いをかけられ私は地獄に真っ逆さまよ!〜映画『スペル』

■スペル(監督:サム・ライミ 2009年アメリカ映画)


ビンボ臭くて小汚いアコギなババアのローン返済延長を断ったら逆恨みされてとんでもない呪いをかけられてさあ大変、という映画だよ!言ってみればタチの悪いクレーマーのお話ってわけなんだね!ババアの呪いで悪魔みたいなヤツが現れて主人公を地獄に引きずり込もうとするんだけど、だいたいあのババアこんな凄い能力持ってんなら最初からこの力で脅かして融資受けさせりゃあよかったじゃん!融資以前にこの悪魔使っていろんな悪辣なことが出来ただろうから貧乏することもなかったじゃん!それをこの程度のことにしか悪魔使うことを思いつかないんだからそりゃ貧乏もするわけだ!「貧すれば鈍す」ってこのことだね!でも「きんらんどんす」とはちょっと違うから要注意だ!勿論「お迎えでゴンス」とも全然違うから手塚マニアは変なところでワクテカしちゃあいけないよ!以下ネタバレ注意!

なにしろこのババア、銀行で断られたその日に駐車場で待ち伏せ主人公の女に襲い掛かる襲い掛かる!おいおい婆さん病気だとか言ってたくせになんなんだよそのパワーは!あんた力強すぎるよ!でかいコンクリのかたまり持って車のガラス割ったりとかやることが老女じゃないんだよ!ってか呪いかける以前にこれだけ相手ボコボコに出来るんなら悪魔なんか呼ばなくとも十分復讐出来てるだろうかよ!そもそもそんだけ気色悪い顔してたら暴力以前にお前の顔夢に出てきて怖くて眠れんわ!挙句の果てにこの時エキサイトし過ぎたかその後ババアは自分ちであっけなく頓死!葬式じゃあ親類縁者知人集まってガヤガヤやってたけどこんだけ知り合いいるんなら最初から金ぐらい借りろよ!ってかお前らも貸したげろよ!

で、主人公の女も女で「あたし呪いかけられたかも」とか言ってすぐさま霊能力者頼るけどなんなのこのスピリチュアル展開!まあオカルトホラーだからスピリチュアル行かないと話になんないけどこれ観た頭の弱いヤツが「私も最近変なヤツに絡まれてそのあと体調おかしいけど呪いかけられたかもしんないから霊視のセンセーのところ行って壷買ったほうがいいかしら」とか思ってスピリチャル系にはまったらどうするよ!そして霊能力者から「やっぱ良く効くのは生贄の血っすかねー」とか言われて早速ペットの子猫血祭りにあげてんじゃねーよ主人公!お前はインターネット猫虐殺事件のディルレヴァンガーさんかよ!?さらにこの霊能者、「もう1万ドル払えばもっと凄い霊能力者紹介しますぜ」とかっておいおいちょっと足元見すぎじゃねーかそのボッタクリ方は!全く世知辛いお話だよな!?

しまいには「呪いのかけられたボタンどうにかすれば助かりますぜ」っていうデスノート展開なんだけどじゃあ最初の1万ドルはなんだったんだ!?まあしかし世の中死んで欲しいヤツなんざ山ほどいるからなんとかなるよなメデタシメデタシとか思ってたら急に「他人に呪いなんか渡せない!」とかしおらしくなる主人公!子猫惨殺しといて今更それはないだろ!サクッとやっちゃえサクッと!という訳でお話はさらに二転三転する訳だが、ライミ初期作品を髣髴させる過剰でわざとらしい演出が冴えまくったお笑い要素満載のローテクホラーでなかなか楽しませてもらったけど、コネタが多くてちょっと散漫だったかもな。しかしヒロインがあんまり可愛くなくて恋人の男がとっちゃん坊やみたいな顔してるっていうのはライミ映画では定番なのか?

■スペル予告編