■ワールド・オブ・ライズ (監督:リドリー・スコット 2008年アメリカ映画)
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あと、戦争というのもひとつのコミュニケーションだという言い方もあって、侵略にしろ制裁にしろ防衛的攻撃にしろ他国の風土や文化を学ぶというのは戦略的に有効な方法であるにせよ、アメリカ的なマキャベリズムは機械的な拡大主義を繰り返すだけで他国の、特にこの映画にあるような中東の有り様を尊重し学習するということが出来ない、そういった尊大さを皮肉った作品だということも出来るでしょう。クーラーの効いた安全なオフィスで「中東って最低だよな」とうそぶくCIA上司と、死の危険と隣り合わせの中東の町を疾走しながらそれでも中東を愛してしまう主人公のCIA職員の対比にそれが表れていると思います。
■ヒットマン (監督:ザヴィエ・ジャン 2007年アメリカ映画)
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クールで寡黙、沈着冷静で正確無比、素手でも銃でも最強の暗殺者が主人公なんだけど、ドバドバ敵をぶっ殺しながらも表情一つ変えず汗一つかかない様はさながらターミネーターの如き不死身の殺人マシーン!しかし人間としてのアイデンティティを喪失した悲壮感と孤独感もどことなく漂わせ、決してぶち壊し屋のゴリラや冷酷な殺人者という訳ではない。そんな暗殺者の彼は暗殺指令を拒否して助けた売春婦と少しづつ心を通わせてゆくんですが、最後まで決してロマンスにならない甘さの無さもハードボイルドでいい。
そうは言いつつ細かい心理描写が描かれる映画ではなく基本ドンパチなんですが、こういった内面とかどうでもいいような超人的な主人公がコミック・ヒーローのように暴れ回るすっきり爽快B級アクションってことでいいんではないかと。だから暗殺者のクセに目立つし派手に殺しまわりまくりなんだけれども、納得して観るならかなり楽しめると思いますよ。レンタルして観たけどDVD欲しくなってしまった。