オムニバス・ホラー『デスルーム』はしょっぱすぎて涙が出そうなアホ映画だった!?

■デスルーム (監督:ケン・ラッセル ショーン・S・カニンガム モンテ・ヘルマン ジョン・ゲイタ ジョー・ダンテ 2006年日本・アメリカ映画)


ケン・ラッセル、ショーン・S・カニンガム、ジョー・ダンテらが参加したオムニバス・ホラーと聞いて観てみたんだが、これがまた唖然とするほどのカス映画で、酷すぎて笑っちゃうならまだましなほう、パートによっては物語の筋も何が描きたかったのかもさっぱり分からない、素人映画の方がまだマシな作品まである映画だったぞオイ。
お話はというと、かつてホラー映画のセットとして建てられた館に閉じ込められた男女が、それぞれの恐怖体験を語り始める…とかいった内容なんだが、どうやらこの『デスルーム』、基本コンセプトをエログロに絞って製作したみたいなんだよな。エロ+ホラーの傑作オムニバス・ホラーといえばリドリー&トニー・スコット製作総指揮の『ザ・ハンガー』というCATVシリーズがあって、そのエロさにはオレもちょっぴりお世話になったことがあるが、この『デスルーム』はおっぱいが出たりベッド・シーンがあったりはするけれども今日びこの程度のエロじゃあ中学生だってヌケないだろっていうレベルで、さらに肝心要のホラーの要素がグダグダという、まさに責任者出て来〜いと言いたくなるような出来なのよ。
まあその分突っ込みどころも満載なので適当に作品紹介しとくわ。映画はオープニングとエンディングをジョー・ダンテが監督しており、ここはダンテらしいシュールでチャチい世界が展開されてまあそれほど惨くはないのよ。で、その中に4つの短篇が挟まるわけなんだが、それぞれのタイトルはオレが勝手に付けたもんだから。

■第1話 吸血おっぱいの恐怖! (監督:ケン・ラッセルマーラー』『ゴシック』)

豊胸手術で移植されたのは吸血おっぱいだった!」って話なのね。これが凄くて、普段は普通のおっぱいなんだけど、男とコトを始めるといきなり両乳首にゴカイみたいな歯が生えて、皮膚に食いつき血を啜っちゃうんですよオニイサン!?いやー、コンドームが装着したポコチンを噛み千切っちゃうという『キラーコンドーム』なんてぇバカ映画が昔ありましたが、これはそれと双璧を成すかもね。しかもこんなものを移植する意味が最後までわかんねーんだよ!大体血を吸うのにわざわざ胸である必然性がどこにあるんだよ!?さらにこの話を聞かされたカレシが「エッチする時胸を出さなかったのはそのせいか」とか驚いてたが、その段階でなんかおかしいと思うだろ!

■第2話 ジャポネスクな地獄はポコチン触手が蠢いていた!? (監督:ショーン・S・カニンガム『13日の金曜日/PART1』)

これが一番ワケわかんなかったわ。えー、日本が舞台なんですけどね。日本旅行中の外人夫婦がいて、その奥さんをどっかの男が口説くんですが、「地獄がどうたらこうたら」と支離滅裂な事を口走ってどこかに消えちゃう。だいたいそれ口説いてるんじゃなくて単なるアブナイヤツだろ。で、なんか次の日その男自殺しちゃうのよ。しかしその男の霊がゾンビの形となり夜な夜な奥さんのところに現れてエッチしちゃうという。これがやりたくて自殺したんだろうとは思ったが、初対面の年増の外人とエッチをする為にわざわざ自殺するか?命大事にしろよ命よお、あとフーゾク行けよフーゾクよお。
で、奥さんはすっかり虜になってどっかに消えちゃうんだが、「妻を捜してください!」と訴える旦那の前に現れるのが杉本彩演じる婦人警官な!しかもほんのちょい役の上にセクシー・ホラー映画に出演したくせに脱ぎもしない!全く役立たずな杉本彩だ!さらにそこに現れたのが石橋凌演じる僧侶!そして「奥さんはあの祠にいて霊の虜になっています!助けたかったらこのお札を奥さんに飲ませるのです!」とか旦那に言ってんのね。ってか石橋凌、僧侶なんだから最初からお前がやれよ。
でまあ不憫な旦那がお札持って祠に入ったら、奥さんは霊に魅入られててすっかりおかしくなってんのね。さてこっからが凄い!なんと、いきなりアニメになるのよ!やっぱ究極のジャポネスクはジャパニメーションってことなのか!?そしていよいよアニメ版悪い霊の登場!おおおおお!お約束の先っちょがチンポコになった触手がのたくってるぞおおお!やっぱジャパニメーションの生み出した最大の発明は宮崎駿とチンポコ触手だよな!で、旦那は悪戦苦闘の末悪霊を倒して意識の戻った妻と熱く抱擁しあうわけなんだが、その頃には観ているオレはもうどうでもよくなっていた。

■第3話 友達のカノジョとやっちゃったんだけどなんかワケアリだったみたい (監督:モンテ・ヘルマン『断絶』『銃撃』『レザボア・ドックス』(プロデュース))

これもひどかったなー。ある日友達のカノジョとやっちゃったんだけど、その日以来友達は遠くに旅立ってしまい現れない、その内女もどこかに消えてしまう。その後数十年経って男はかの友人が死んだ時に観てくれって言って託したフィルムを観るんだけど、実はあの時の女、吸血鬼だったんですよー、って内容だった。おしまい。おおおおおおい、これがオチなのかよ!?いったいどこにヤマがあるんだよ!?しかも男も友人も血ぃ吸われてないし!結局何を言いたかったんだよ!?単にタナボタでエッチやりまくれていい思い出だったなあジュルリ、ってだけのハナシじゃねーかこれ!?ヤマ無しイミ無しオチ無しって、同人かよいったい!?

■第4話 戦慄!私はサナダムシと双子だった!? (監督:ジョン・ゲイタ『マトリックス・リローデッド』『レボリューションズ』『マトリックス』(SFX))

アメリカのフランス移民たちの生活を描いた導入部は「おお、やっとマトモな作品を観れるのか!?」と期待させられたんですねどね。でもやっぱその後の展開はグダグダで…。ええっと、妊娠中の女が診察を受けたら、お腹の中には子供もいますが回虫もいますよ、って医者に診断されるのね。でも虫下し飲ませるのはお腹の子供に悪いから回虫はそのままにしておきなさい、なんて言われるのよ。…あのう、それってホントにアリなんですか!?そして子供は無事生まれスクスク育つんだが、自分と回虫は双子の姉妹、とか思い込んで空想の回虫に語りかけたりしてんのね…。虫愛ずる姫なんてぇのがいたが、回虫はちょっとイタイよなあ…。で、この子、里子に出されて継母に苛められるのよ。そしていよいよ切羽詰り「助けて回虫!」とか叫ぶとどこからともなく回虫クンがニョンニョロリーンと現れて継母の股間に侵入、見事お腹を食い破りましたメデタシメデタシ!という話なんだけど、なんなのこのヒネリもなんもないそのまんまの展開!?どうせやるんなら巨大化して町中火の海とか血の海とかにしてみやがれこの回虫め!

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