『ザ・バンク−堕ちた巨像』は陰謀まみれの巨悪に立ち向かう熱血男の物語だった!

■ザ・バンク−堕ちた巨像 (監督:トム・ティクヴァ 2009年アメリカ/ドイツ/イギリス映画)


世界を股に掛けて悪いことをするヤツラを執念に燃えた捜査官が追い詰めてゆく映画だよ!今回のワルモノはルクセンブルグの大銀行IBBCだ!武器売買の闇取引とかマネー・ロンダロングとか、なんかそーゆーことに関わる汚い陰謀を巡らし、都合の悪い相手は暗殺!抹殺!密殺!しまくり、警察やら政府やらともみぃ〜んなグルになって操作を妨害し、甘い汁をチュウチュウと吸いまくって私服を肥やす巨悪の権化なんだ!ゴンゲ〜!ゴ〜ン〜ゲ〜!!どのぐらい巨悪で権化かというと悪代官と越後屋ぐらい悪い巨悪で権化なんだ!でも小娘の帯グルグルとかは無いからそれは期待しないでね!
さてその巨悪で権化な連中を追い詰めるのがクライグ・オーウェン扮するインターポール捜査官サリンジャーナオミ・ワッツ演じる地方検事局員ホイットマンだ!この二人のキャラが立っていてなにしろよかったな!インターポール捜査官サリンジャーは常に憤怒の表情を浮かべ、地方検事局員ホイットマンは常に眉間に皺を寄せているんだ!悪いヤツラは許せないんだ!天に代って成敗しなきゃいけないんだ!月に代ってお仕置きしなけりゃいけないんだよッ!!そうさ最後に必ず正義は勝つんだ!そしてふたりは様々なイヤラシイ妨害や命の危険を乗り越えて巨悪な権化に迫っていくんだね!
最近観た映画の中では久々に興奮しまくった映画だよ!こりゃ面白かったよ!映画館を出た後に「スッゲー面白かった!スッゲー面白かった!」と連呼しまくって一緒に観に行った相方をウンザリさせていたよ!でもそんだけ面白かったんだよ!許せ相方!何が面白かったって、なにしろ世の中陰謀だらけの五里霧中で信じられるものなど何も無く、次々と仲間は倒れていき捜査中止命令まで出る中、孤軍奮闘しながら執念と信念で巨悪な権化を叩き潰そうとするその鋼の意思と正義への熱い想いだ!
あーオレこういうのって大好きみたいだけどこれって何だったっけ?と考えてみたら、これってかの『X-FILE』だったんだ!真実はそこにある!何も信じるな!魑魅魍魎渦巻く不気味な陰謀に己のみを信じ孤立無援のまま真実に肉薄してゆくフォックス・モルダーとダナ・スカリー捜査官のオカルト暗夜航路!あああ大好きだった『X-FILE』!だからこの『ザ・バンク−堕ちた巨像』を観ている最中もサリンジャーホイットマンにモルダーとスカリーを重ね合わせ、「すかりぃ〜〜!」「もるだぁ〜〜!」と心の中でひとりコールアンドレスポンスを展開していたんだ!
映画的にもドイツ、イタリア、アメリカ、トルコを股に掛けたワールドワイドなロケーションが物語の規模の大きさを感じさせるし、緊張感溢れる暗殺シーンやド派手な銃撃シーンなど映画を盛り上げる要素も満載だ!勿論その銃撃戦は世界を裏で牛耳ろうとしている巨大企業のやり方としては目立ちすぎてありえなさそうだし、捜査の糸口となった暗殺者の行方が簡単に判明してしまう所なんかはいかにも”フィクション”って感じだけど、逆に企業犯罪という地味になりそうな題材を映画的ビジュアルで盛り上げようとした監督の思惑は間違い無かったと思うね!

■'The International' Trailer (High Quality)