ドイツ帝国議会議事堂掃討戦〜『Call of Duty:World at War』


PCゲーム『Call of Duty:World at War』(やっと)終了。複数のゲームに手を出しているからなかなかクリアできるゲームが無い。さてこの『CoD:WaW』、最後のミッションはソビエト軍によるナチス・ドイツ帝国議会議事堂掃討戦なのである。

時は1945年4月30日。敗色が濃厚になったナチス・ドイツにとどめを刺すべく50万人にのぼるソ連軍の大隊はベルリンを包囲し、ナチスの牙城であるドイツ帝国議会議事堂掃討作戦を開始した。議事堂前の防衛線を死守せんと死に物狂いで反撃するドイツ軍との熾烈な戦闘をかいくぐり、ソ連軍は議事堂内部へと突入する。ドイツ軍武装親衛隊の最後の抵抗に議事堂内は血と銃弾と爆炎の地獄と化した。じりじりとドイツ軍を圧倒し、殲滅してゆくソ連軍。そして遂に掃討作戦は完遂され、ソ連軍はドイツ帝国議会議事堂の屋上に祖国の国旗をはためかせたのだった。

歴史の決定的瞬間といわれる有名なこの写真、ゲームはここへと到る戦いの全てを物語ってゆく。オレはソビエト連邦の一兵卒としてこの戦いに従軍し、そしてゲームのラスト、自らの手でドイツ帝国議会議事堂の屋上にソビエト連邦の旗を打ち立てるのだ。ゲームのインタラクティヴ性の物凄さを実感した瞬間であった。

ただし、実際には議事堂を巡る戦いというのは存在していないらしく、また、この写真にしても、ベルリン陥落後にプロパガンダ用として撮影されたものらしい*1。ゲームのような事実は決して無かったということだ。だとしても、第2次世界大戦における独ソ戦ソ連が「大祖国戦争」と呼んだその戦いのモニュメンタルな瞬間をフィクショナルに再現したこのゲームの秀逸さを貶めることにはならないと思う。

Call of Duty: World at War - FINAL MISSION - Downfall

かと思えばこんな記述も存在する。

●ドイツ人への報復
ソ連軍の報復は苛烈を極め、女性の多くがソ連兵により強姦され、数多くの市民が自決した。ゲルハルト・ライヒリング博士に拠ると、当時ベルリンの女性の平均人口は149万5500人と推計され、その6.7%に相当する10万人がソ連兵士による性暴力の被害者となり、うち10%前後が性病に罹ったとされている。レイプされた女性は心理的外傷を負い、10万人のうち1万人前後が死亡した。 これはベルリンに限ったことではなく、ソ連軍に占領されたドイツの町や村の多くで起こった。ソ連の作家イリヤ・エレンブルクは1964年に出版した回想録に「ブロンドのドイツ娘をさらえ、それは諸君の戦利品だ!と赤軍兵士を煽った」と非難されたことを記している。
ベルリンの戦い 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 

10万人レイプされて1万人性病うつされて1万人死亡かよ…。鬼畜すぎるよソ連軍。しかしソ連において第2時世界大戦の犠牲者は2700万とも言われ、これは世界で最も多い数だったのだという。このゲームではアメリカ軍となって沖縄本島で日本軍と戦うミッションもあり、その中ではタコツボから「天皇陛下バンザイ!」と叫びながら飛び出す日本兵火炎放射器で焼き払う、なんてプレイまで存在する。そしてゲームのラストは広島・長崎の原爆と第2次世界大戦の終結で締めくくられる。日本人にとっては複雑な感情になってしまうゲームではあるが、戦争なんてどのみち苦く悲惨なものなのだ。

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