赤レンガでズージャなんぞを聴いておったのじゃ


わしの相方さんが「のうフモどん。ズージャが聴きたいのじゃ」と言いよったのじゃ。
なんでも横浜赤レンガ倉庫にズージャのライブハウスがあるというのじゃ。
「ほう。赤レンガでそのようなことをやっておるのか。他でもないおぬしが申すなら行かねばならぬのう」とわしは相方さんに言ったのじゃ。

それにしてもいったいどんな場所かいの、とわしはインターネッツ長屋の物知りググルどんに訊いてみたのじゃ。
するとググルどん、「"モーション・ブルー・ヨコハマ"ですね。ジャズを中心とした国内外の有名アーチストのライブを楽しみながらカジュアル・フレンチを楽しむお店ですよ」などと申すではないか。
むう。フレンチかいな。ハレンチだのオポンチだのは得意なんじゃがフレンチはちびっと苦手じゃわい。
「のうググルどん。どんなものがあるのかちょいと教えてくれんか」わしは訊いてみたんじゃ。
「そうですね。下仁田ねぎのロースト、これが¥1470」
「せんよんひゃくななじゅうえん!?ネギの焼いたのがせんよんひゃくななじゅうえん!?」
「半熟の卵に赤ワインのソースを絡めて食べる"落とし卵のブルゴーニュ風"、これが¥1680」
「ギギギ!せんろっぴゃくはちじゅうえん!?温泉卵がせんろっぴゃくはちじゅうえん!?」
「四元豚のロースト ポンムサルラデーズ、¥3150」
「四次元豚!?そんなおっかないもんまで料理にしちまうのんかいな!?で、そのポン酢猿のデニーズってなんじゃいの?」
「…あのう、ワザと間違ってません?」
「むうう…フレンチはこわいのう!こわいのうこわいのう!!」

という訳で日曜日の夕方、相方さんと出掛けた赤レンガ、着いてみたらこの日はクラブ仕様でオールスタンディング、そんな肩肘張ったものじゃなくて一安心じゃ。なにしろクロークが無料な上に係の若人がにこやかなのが有り難いの。さすがブルーノート系列じゃ。わしがたまに行く渋谷のクラブなんざ、クロークは普通に料金取られるわ、店員はつっけんどんで無愛想なのが当たり前だわ、セキュリティは必ず怖い顔した巨漢の黒人がニラミを利かせておるのがデフォルトじゃからの。まさに雲泥の差じゃわい。
  
この日は3ステージあったんじゃが、5時開演から入場してまず1セット目を消化したんじゃ。そのあと1回外に出てお店の向かいの中華で腹ごしらえじゃ。わしはフレンチを食わんでよくなった安心のせいで、チャーハンとギョウザとラーメンと、さらにカツまで食っちまったわい!全くどんだけ大食いフモどんなんじゃ!

その後もう一度お店に入ったころには2ステージ目が終わる頃で、それからDJタイムがはじまったんじゃの。ソウル系のDJじゃったがなかなか面白かったわい。このわしは老体にもめげず滅法踊っておったぞ!相方さんには「フモどん動きが怪しいぞよ。それでは新橋の焼き鳥屋帰りの千鳥足のサラリーマンみたいじゃ」と言われたがの!

というわけで次に始まった3ステージは最初だけちょっと観て帰ってきたわしと相方さんだったのじゃ。相方さんは生バンドの演奏を堪能できてとっても楽しかったようじゃの。ええことじゃええことじゃ。
赤レンガを出ると港に大型豪華客船が泊っておったわい。大型豪華客船は大型で豪華だったぞなもし!!