アイアンマン (監督:ジョン・ファヴロー 2008年アメリカ映画)


巨大軍需産業の大ボス、トニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)がアフガンでテロリストに拉致られ、「オレらのためになんか武器作りやがれゴルァ!」と脅されるが、渡された資材でちゃっかり強化装甲服を作って脱出、見事生還を果たし、帰ってきた途端「武器ってやっぱりいけないヨ!だからボクちんもう武器作んのやめるんだもん!」などと突然良心に目覚め、自宅の研究室で一人寂しく強化装甲服バージョンアップ版を製作、アイアンマンとなって悪い奴らを懲らしめに行っちゃう!という物語である。

えー、面白かったっす。CGI描写の良さはいうまでもなく、キャラ立ってたし配役も良かったよな。まあ一番カッコ良かったのは主人公がアイアンマンスーツを装着する時のメカニカルなシーンだったけど!敵の銃弾を分厚い装甲で弾き返しながら進む姿はロボコップを思わせたが、ああいう無敵状態って観ていてなぜか興奮するね。ゲームなんかやっていると条件によって無敵状態になることがあるが、あの快感と共通するもんがありますよ。

あとやっぱり『ハンコック』の時も思ったけど、分かりやすく単純(またはアホ)な性格のヒーローというのがいい。主人公はさんざん武器作っておいていきなり趣旨換えするが、この間苦悩なんかしないのよ。調子いいっちゃ調子いいけど、モノにこだわりが無く切り替えの早いヤツなんでないの。浮世離れした性格で天才で金持っててある日正義に目覚めるってえ図式は、実はバットマンといっしょなんだが、バットマンみたくウダウダしないところがいいよな。ホントあの『ダークナイト』ときた日にゃ…(ぶつぶつ)。

で、この切り替えの早さに付いていけない凡人である共同経営者を敵に回すことで大騒動が起こるわけだが、考えようによっちゃこれって内輪揉めの話だよな。確かに同じテクノロジーレベルの敵じゃないと相手になんなもんなあ。だから中古の機関銃振り回してボロ着て荒野で雄叫び上げてるようなカッペのテロリストなんて、はなからアイアンマンの敵じゃないのよ。最強の武器手にしても最強の敵がなかなかいない、ってえのはいかにもアメリカらしい。

そういう訳で共同経営者製作の強化装甲服もっと凄いバージョン登場!しかしあれだけテクノロジー駆使した装甲兵器作っておいて最後はやっぱり殴り合いして決着付けるところがハリウッド映画だよな。だいたい「装甲強度を上げる」=「強い」っていうのって、白人の考えそうな単純さでもある。やっぱりね、世界最強の戦士は甲冑着た騎士じゃなくて忍者とカンフーマスターだろうが!ゴツゴツの装甲なんざ無粋なんだよ!技磨いて裸の肉体で戦うことこそが優雅なんだよ!

世の中にはこのアイアンマンを目指したようなリアル・アイアンマンがいて、「オラ熊さ勝つ為に装甲服作ったべさ!」とか言って強化スーツを製作、強度を試す為にぶん殴られたり崖から落ちてみたりしている!

まあ…やっぱアホだよな…。

それにしても「あいあんまん」ってなんだか「あんぱんまん」と似ていると思ったのは世の中でオレだけだろうか!?

■アイアンマン 予告編

■アイアンマン オリジナル・ポスター集