最近聴いたCD・クラブ篇/久々にテクノ、相変わらずジャイルズ・ピーターソン

■Mi Mix / Ian O'Brien

Mi Mix

Mi Mix

暫くテクノからは遠のいていたが、イアン・オブライアンのこのDJ-Mixアルバム『Mi Mix』は、久々にテクノの素晴らしさを堪能させてくれるアルバムだった。選曲されているのはGalazy 2 Galaxy、Juan AtkinsCarl CraigLos Hermanos等、もはや王道中の王道ともいえるデトロイト・テクノ中心で、ある意味よくもまあ何のてらいも無くここまで有名曲を持ってきたもんだと思えたぐらいだ。しかしそれで陳腐であるかというと全くの逆であり、自分自身デトロイト・テクノ愛を再確認させられた程だ。勿論この愛情はイアン・オブライアンのデトロイト・テクノへの愛情でもあり、三つ子の魂百までとでもいうのか、心の中に確実に刻まれた感動というのは、こういった形で絶え間なくフィードバックされていき、そしてさらに広く多く伝播されてゆくものなのだなあ、と感慨深く思ったりした。あーどっかでデトロイトもんのDJ来るイベント無いかなあ。

■Fabric 41 / Luciano

Fabric 41 (Spkg)

Fabric 41 (Spkg)

次々と良質のMIXCDを出しているFabricの41番目はチリ出身のミニマル・テクノ・アーチスト、Luciano。ラテン系だけあってタイトでよく跳ねるパーカッシブなリズムがスルメのようにジワジワと味を出していきます!CD前半なんか全部おんなじ曲なのか(んなわけないが)!?と思えるほど同一リズムの応酬が続きますが、ねちっこく焦らせておいて後半から緩やかに盛り上がります。全体的に低音をあまり強調しない実に軽やかな仕上がりで、あっさり聴き通せるのが魅力か。

■Fania DJ Series / Gilles Peterson

Fania DJ Series (Dig)

Fania DJ Series (Dig)

またもジャイルズ・ピーターソン、今回はサルサの名門レーベル『FANIA』からのクラブ・サルサ・コンピレーション。しかしこのオレがとうとうサルサまで聴き始めたのか…。サルサについては門外漢ですがジャイルズ・ピーターソンのセレクトだと気張らずに聴けるのがいいですね。CD2M11の「La Odisea De Tito」はサルサ版「2001年宇宙の旅」、あの「ツァラトゥストラはこう語った」がサルサのリズムでチャカポコいいながら盛り上がります!

Gilles Peterson: Worldwide

Worldwide

Worldwide

Gilles Peterson: Worldwide 2

Worldwide 2 Compiled By Gilles Peterson

Worldwide 2 Compiled By Gilles Peterson

Gilles Peterson: Worldwide 3

Worldwide 3

Worldwide 3

まだまだ止らないジャイルズ・ピーターソン、こちらはイギリスBBCラジオで彼が番組を持つ「Worldwide」からのコンピレーション。シリーズ1番目の「Worldwide」は2000年発売の2枚組CDで、ジャイルズ・ピーターソンが主催していたアシッド・ジャズ・レーベル《トーキング・ラウド》の10周年記念作でもあったようですね。続く『2』が2002年、『3』が2003年の発表になっています。例によってジャズ、サルサ、ソウル、ヒップホップ、テクノ、ドラムンベースなど、ありとあらゆるジャンルの中から”聴き心地の良い”音ばかりをこれでもかと鬼集めして編集された密度の濃いコンピレーションアルバムとなっています。しかもこれだけあれこれ詰め込まれているのにきちんとジャイルズ・ピーターソンのカラーで統一されているところが凄い!オレのジャイルズ熱はまだまだ冷めないようです。