テネイシャスD 〜運命のピックをさがせ!〜 (監督:リアム・リンチ 2006年アメリカ映画)

■バカだ!バカなんだッ!お前はおバカになるんだッ!

遂にファック暑い夏がファック到来しまくりやがっているファック今日この頃、気温それ自体に殺意を抱きながらヒーヒー言っている小市民の皆さんお元気ですか!?夏!夏といえば花火!海!カキ氷!?あああうるせえ!こちとらンナ女子中学生みたいな可愛いこと言ってられる歳じゃねえんだよ!夏といえばビール!吐くまでビール飲んで暑いんだか気持ち悪いんだか分かんなくなっちゃうほど酔っ払うのが正しい夏の過ごし方!
しかしそれもいいけどそれだけじゃない!夏といえばバカ映画!バカ映画なんだよッ!バカ映画観てゲラゲラ笑って夏を乗り切るんだッ!おバカになりきって暑いことさえ分かんなくなるほどクルクルパーになっちゃえばいいんだッ!という訳で行って来ました、バカ映画の第一人者ジャック・ブラック主演、『テネイシャスD 〜運命のピックをさがせ!〜』!!バカだ!バカなんだ!!お前はおバカになるんだッ!!!

■運命のバカコンビ!?

暑苦しくてデブでバカで暑苦しいJB(ジャック・ブラック)と、暑苦しくてデブでハゲで暑苦しいKG(カイル・ガス)が、ロックを愛する気持ちから意気投合、究極のロック・デュオを目指すところからこの物語は始まるんだ!
しかしデブとハゲのこのコンビ、一所懸命練習しようなんて向上心なんか持っちゃいない!有名ロック・ギタリストが全て同じピックを使っていたという事実を発見、これを使えば簡単に超絶ヒット曲が書けるはず、と安易な発想から探したところ、それは悪魔の歯から作られた魔のピックだということが判るんだ!そしてデブとハゲのこの二人の、聖杯探求ならぬピック探求の冒険が始まる!

■ロックはバカのもの!!

映画は全編バカで下品でゆるいテイスト。ギャグはあんまり生きていなかったが、ロックファン、特にハード・ロックやメタルの好きな人なら喜びそうなくすぐりがあちこちにあったんじゃないかな。特に冒頭からのロック・オペラ風の展開が実にカッコよく、バカ映画というよりもおバカ・ロック・オペラとして統一していれば結構な傑作になったかもしれない。
だっておバカだなんだといっても、ジャック・ブラックの歌声は聴かせるものがあるし、カイル・ガスのギターはとても器用に耳に響くのだ。しかしそこはやっぱりゆるくぬるくを目指しちゃったらしい製作陣、しょうもないギャグを入れたくて堪んなかったらしく、そのせいで中盤はやっぱりダレちゃうんだよなー。

■バカで悪いかコンニャロメ!!

しかし悪魔のピックを手に入れようとロック博物館へ襲撃しにいくあたりから物語りは盛り上がり、無駄なCGやカーチェイス、さらに大げさな着ぐるみまで持ち出して無意味に力が入った映像は、「ここ金掛ける部分だったのか!?」と呆れ返っちゃうような暴走振りで、「とりあえずなんか凄いだろ!?」と盛り上がっている監督の笑みが目に浮かぶよう。
こういう時は「ちょっと空回りしてません?」なんて突っ込まずにいっしょになって盛り上がってあげたほうが映画は面白く観られるというもの。そういった意味では大爆笑を誘う映画ってほどではなかったけれど、適度なバカさとしょうもなさは文句無く堪能できる仕上がりになっていたんじゃないかな。

■「テネイシャスD 運命のピックをさがせ!」ポスター集

■「テネイシャスD 運命のピックをさがせ!」予告編


テネイシャスD-運命のピックをさがせ!-

テネイシャスD-運命のピックをさがせ!-