GALACTICA/ギャラクティカ 【起:season 1】DVD-BOX 1

やっと観たわ。SFTVシリ-ズ『GALACTICA/ギャラクティカ』DVD-BOX 1。BOX1の内容はシーズン1の途中までで、後半のBOX2は7月の発売となっている。

お話はこんな具合:人工知能を持ったロボット《サイロン》の叛乱により、12の殖民惑星に居住していた数十億の人類は瞬時にして滅亡した。からくも生き延びることが出来た人類の数は僅か5万人。彼らは巨大宇宙空母「ギャラクティカ」に率いられ、大小のスペースシップに乗って伝説の惑星”地球”を目指すが、サイロンの追撃は決して止む事がなかった…というもの。エミー賞ヒューゴー賞などを受賞し、あちこちでかなり評判がよかったのでちょっと期待していた。

この『GALACTICA/ギャラクティカ』は、もともと1978年にアメリカBBCでTVシリーズとして放送され、日本でも1話目のパイロット版が劇場公開された『宇宙空母ギャラクティカ』のリメイク版。オリジナルの『宇宙空母ギャラクティカ』が製作されたのは丁度映画『スター・ウォーズ』の公開によりSFバブルに湧いていた頃だったもんだから、オレも映画版は劇場で観たけど、期待に反して出来は結構ショボかった記憶があるな。

だがこの新たにリメイクされた『GALACTICA/ギャラクティカ 』は、人類の滅亡、多数の人命を生かすため少数を切り捨てねばならない指導者達の苦渋の決断、生き残った人々にさらに追い討ちをかける過酷な試練…といった、”血湧き肉踊る冒険SF活劇”とは正反対のシリアスな内容が印象的なドラマとして仕上がっている。

実は、冒頭の、最も派手でSF的な、核爆発のきのこ雲が地表を覆うシーンや宇宙空間でのバトルシーンは、どこか既視感を覚え、それほど面白く観なかったのだ。人間そっくりのサイロンの存在も、それほど物語を盛り上げているように見えない。結局これらのシークエンスはどれも、SFテーマとして古臭く思え、最初は「え?この程度のドラマでウケたの?」なんて思ったぐらいだ。しかし、回を追うにつれ展開される人間ドラマは、戦闘シーンなどの派手な場面など無くても自然に引き込まれた。あー、『GALACTICA/ギャラクティカ』の面白さというのはこっちだったのか、とやっと分かった次第である。

とかく取り沙汰されるのは、いわゆる「911」ショックのドラマということなのだろうが、「戦時下における文民の心の動き」や「冷徹さを要求されるべき軍人が持ってしまう個人的な感情」など、戦争状態の中での人間達の心の動きがこのドラマのテーマになっているように思えた。考えてみれば、いつでもどこかで戦争しているアメリカという国家は、常に有事下だということも言えるわけで、そういって意味では、軍人にとっても非戦闘員である文民にとってもある種切実なものを孕んでいるドラマだということも出来るのだ。ま、シーズンが進んでゆくとこのテーマも変わっていくような気がするけど。

というわけで、最初ちょっとイマイチだった『GALACTICA/ギャラクティカ』だったが、やはり続きが観たくなってきた。今後のリリース情報が楽しみである。