火の鳥

残業続きでクタクタになっていたオレは、部屋に帰るとその日の日記を更新しようとパソコンをつけたが、そのまま気絶でもするように寝入ってしまったのであった。そしてその眠りの中で、夢とも幻ともつかない出来事を体験したのである。
なんと夢に中には火の鳥が現れたのだ。それも手塚治虫の漫画の火の鳥である。その血を飲めば永遠の生を手に入れることができるといわれ、宇宙の始まりから終わりまでを見守り続ける神秘の存在なのである。そしてあろうことかその火の鳥に、オレは辛い毎日を愚痴り始めたのである。

オレ「火の鳥さん…毎日毎日きっついです…。今度オレが生まれ変わる時は、今より楽になれるんでしょうかね…」
火の鳥「こんにちはフモさん。あなたの来世をお知りになりたいというの?」
オレ「はい」
火の鳥「…フモさん、あなたの来世はミジンコです」
オレ「えええええええッ!?」
火の鳥「それもしょぼい日記を書くミジンコブロガーです」
オレ「ミジンコになってもブログ書いてんすか!?」
火の鳥「ええ。それもしょぼい」
オレ「…しょぼい」
火の鳥「はい。そしてミジンコの後はカメムシに生まれ変わります」
オレ「今度はカメムシですか!?」
火の鳥「はい。しかもカメムシだけにクサイ日記を書くブロガーです」
オレ「またブロガーですか!?しかもクサイんっすか!?」
火の鳥「その後はアンチョビに生まれ変わります。アンチョビだけにしょっぱい日記を書くブロガーです」
オレ「今度はしょっぱいんですか!?」
火の鳥「そして次はムラサキアメフラシです。気色悪い日記を書いてます」
オレ「気色悪いって…」
火の鳥「時々ピュッと汁を出すんですね」
オレ「すっげーイヤなんですけど…」
火の鳥「次がイナゴですね」
オレ「ネットイナゴになるって言いたいわけですか!」
火の鳥「ピンポーン。大当たり〜」
オレ「当たってもあんまり嬉しくないんですけど…」
火の鳥「ええとその次はゴキブリですね。皆に嫌われるブロガーです」
オレ「とうとうゴキブリかよ!」
火の鳥「はい」
オレ「あの、火の鳥さん、なんか虫みたいのばっかりなんですが、オレってもう人間に生まれ変われないんですか!?」
火の鳥「あ、その次が人間です」
オレ「やた!」
火の鳥「でも売れないお笑い芸人に生まれ変わりますね。そして笑えないし全然面白くもないブログをちんたら書いてます」
オレ「やっぱりダメじゃん!てか火の鳥さん、オレってずっと日記書いてなくちゃならないんですか!?」
火の鳥「そうです。遠い過去から遥かな未来まで、宇宙が終わるそのときまであなたはたいしたことの無いブログを書き続けるブロガーとして生まれ変わり続けるのです。それがあなたの宿命なのです」
オレ「はあ…。ボチボチやっていきます…」

しりあがり寿さんの漫画のパクリです)