- 作者: 小川幸辰
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2008/01/30
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さてこの『エンブリヲ』、感想としては気色悪さよりむしろ、この作者メッチャ気合入れて書いたんだなあ、むしろ気負い過ぎてるかもなあ、という印象が強かった。作者自体が昆虫好きなのか、昆虫の事をよく勉強して描きました、という意気込みがこもってるんだな。生理的な虫の気持ち悪さはホラーっぽく演出されているが、これを研究する科学部みたいな学生達が出てきてこのザザ虫もどきの正体を科学的に解明しようとするんだね。つまり虫に対して客観的なスタンスも取ってるんだ。そして突然変異を起こした虫たちが何を目論んでいるのか?を考察しようとする。そういった意味ではSF的なアプローチもされているという訳だね。単に「虫キモイ!」というホラーにはなっていない。
いろんなホラー映画を想起させる所も面白い。タイトルの『エンブリヲ』はラルフ・ネルソン監督のホラー『エンブリヨ』を、大量の虫は『スクワーム』を、学園を寄生生物が襲うというコンセプトは『パラサイト』を、背中に寄生する生物は『マニトウ』を、飲み水に入った虫を飲み下すシーンは『ポルターガイスト2』を…とこれも挙げていけばきりがないね。勿論虫愛ずる姫といった主人公はジブリの例の作品を思い出さずにはいられない。オマージュといった訳ではなくホラーとして成立しそうな要素を集めたら自然と似てきたのかもね。
物語的には実にオーソドクスにホラー展開してゆくから先読みできてしまう部分が難かな。最終巻として3巻目の発売もあると思うけど、この先どうなっちゃうんだ?という期待があんまり無いんだよなー。あと虫が喋るのははちょっといただけなかった。