無頼派の休日〜”ここからが俺の伊達ワルレジェンド”篇

無頼派の”伊達ワルレジェンド”ファッション!
無頼派”と呼ばれ常日頃様々なものとメンチを切りタイマンを張り、時にはボコりさらにはフルボッコにされているこんなオレにも休日はやってくるのである。土曜日は例によって映画館へ行っておった。銀座である。無頼派であり”伊達ワルレジェンド”始まりまくりのこのオレ様には銀座がよく似合う。渋谷だの六本木だのはガキとカッペが行く場所だからな。それにしても伊達ワルレジェンドだって。クスッ。一回この言葉使ってみたかったの。
この日はちょっと洋服を新調したくて馴染みのブティックへ。無頼派にオシャレは欠かせないのだ。常にデンジャラスでセクシーな男のミリキ(あれ、変換できない)を醸し出す為にはファッションは重要なアイテムだ。幸い銀座には沢山の有名高級ブランドのショップが軒を連ねている。有名。高級。オレの為にあるような言葉だ。だが無頼派のオレとしてはそんじょそこらの有名高級ブランドでは飽き足らないのである。オレはファッションにはうるさいのだ。
そんなオシャレ上級者のオレが愛してやまないNO.1ブランド・ショップ。こっそり教えてやろう。その名はユニクロ。デザインに優れ品揃えも豊富な優良ファッションショップである。この日はクリスマスセールということでセーター1着1990円!ソックス3足280円!おおなんて凄いんだ!あんまり安いからソックス6足も買っちまったぜ!これって大人買い!?オレ贅沢しすぎ!?オレって金満!?みんなに石投げられない!?などと富めるものにしか分からない悩みと不安を抱え、次からはボディガードがいるかな、などと思いながらお店を後にしたオレだ。

無頼派の”伊達ワルレジェンド”食生活!
さて夕食の準備である。無頼派のオレがよく食材を購入しているのは駅前の《ポロロッカ食品館》。中国人店員のたどたどしい日本語からインターナショナルでワールドワイドなお店の雰囲気が存分に伝わってくる。この日は焼肉にしようと思っていた。ピザ。カレー。焼き肉。伊達ワルレジェンド(また言っちゃった。てへ)な無頼派にとって黄金の三権分立とも言える最強の食事の好みである。女どもは「ガキみたいな舌」と切って捨てるが、なあにきっとオレの気を引きたいからわざとああやって異議を唱えてみたがるのさ。そんな女どもが逆に可愛いぜ。まあ脳内妄想だがな。人生妄想が一番だよ!無頼派に女なんか要らないんだよッ!今目から流れているのは単なる汗だよッ!汗なんだったらッ!
話が逸れた。その時買ったのが100グラム598円の国産牛バラカルビ94グラム562円である。常日頃”肉”と名の付くものは100グラム38円の鶏胸肉か100グラム88円のブタコマのみしか買ったことがないという、もはや”清貧”と自分を呼んであげたくなるほどつましく美しい倹約生活(貧乏じゃないよ!決して貧乏なんかじゃないんだよ!)をしているオレにとって”100グラム598円”とは未知の領域、映画『ライトスタッフ』でいえば音速の壁を越えるかの如き超絶的な値段なのである。オレに一体ナニが起こったのか。財布でも拾ったのか。宝くじでも当たったのか。
いいやそうではない。これには秘密があったのだ。《ポロロッカ食品館》で1000円買えば3ポイント付く《ポロロッカわくわくポイント》が遂に1000ポイント溜まったのである。即ちこれは1000円ゲット出来たと言うことである。ここまでの道のりは血反吐を吐くような長く険しいものだった。しかオレはやり遂げたのである。そして、そして、オレは遂に、”100グラム598円”という、前人未到の超高級牛肉をこの手に入れることが出来たのである。”100グラム598円”はけだし至高の味であった。何か自分が海原雄山になったような気分である。ありがとう100グラム598円。また会おう100グラム598円。そして今日からまた、《ポロロッカわくわくポイント》を溜める為に、ちまちまと買い物をするいじましい無頼派のオレであった。そう、オレ様の”伊達ワルレジェンド”は、今、始まったばかりなのである。