鼻毛

駅張りのポスターを何気なく見ていたら光線の具合でポスターの人に物凄い鼻毛が生えているように見えた。
うふふ。
鼻毛だ。鼻毛だぞ。
うふふ。うふふふ。
鼻毛だ鼻毛だ。
うふふ。うふふふふ。
鼻毛だ。鼻毛だ鼻毛だ。
そしてオレはその場に立ち尽くし何分も何時間も何日も何年も何百年も何千年も何万年もその間人類は滅び地球は原始に戻り老化した太陽は核融合の原料となる水素を使い果たし次はヘリウムを燃焼させ激しく膨張しそれは地球を飲み込みさらに天の川銀河にはアンドロメダ銀河が接近し続け百億年の後にはお互いが衝突しそして宇宙は膨らむことを止めもう一度収縮し始め全ての星が星が星が超高温の熱の中で溶けて行き宇宙は原初のスープに戻ってその最後を迎えるまで、オレは、鼻毛を見続けた。
鼻毛を。鼻毛を。