《S.T.A.L.K.E.R.》(やっと)クリア


今年の3月に買ってからちびちびやっていたPCゲーム《S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chernobyl》をやっとこさクリアした。途中HDDクラッシュにより最初からやり直しを余儀なくされたり、あれやこれや他のゲームに浮気したりで、結局半年も掛けてのクリアである。しかしやり終わってみての感想は、「近年稀に見る物凄いゲーム」だった。良く出来たゲーム、面白いゲームは幾らでもあるが、この《S.T.A.L.K.E.R.》の、特に後半からの不気味で異様な雰囲気は、これまでのゲームでは体験したことの無い恐るべきものであった。この手のFPSゲームというのは通常マッチョな主人公が強力な武器を手に絶対的な悪とも言うべき敵をなぎ倒しながらラストを迎えるものであるが、この《S.T.A.L.K.E.R.》の終盤はそんなものではなかった。主人公であるオレは常に弾切れと防護服の劣化、放射能汚染の恐怖に付きまとわれ、圧倒的な火器と数を誇る敵の中を、文字通り逃げ回るようにして目的地へと向かうことになったのである。

このゲームの最終目的は、崩壊したチェルノブイリ原発を封じ込めた《石棺》の中心部に存在するという、異星のものとも異世界のものともつかない謎の物体と対峙することにある。その謎の物体は、「全ての望みを叶えるもの」であると言い伝えられている。しかし、このチェルノブイリ原発周辺は、謎の遺物を巡って一攫千金を狙う傭兵達によって戦場と化していたのである。そして目的地に近付くにつれ、そこに存在するは狂気と混乱だけであった。敵も味方も区別がつかないまま、傭兵達はひたすらお互いを銃撃しあい、戦闘ヘリからは絶え間なく銃弾と爆弾が降り注いだ。さらにこの地球上では有り得るはずのない異常な物理現象が、空間を曲げ強力な力場を作り致命的なエネルギーを放出し、そのヘリさえも墜落させていた。もはや何のための戦いかすら分からないその殺戮の荒野は、まさに《悪夢》であり、《地獄》としか言いようがない光景と化していたのである。

このゲームにはエンディングが幾つかあり、オレのは真のエンディングでは無いので、実はまだゲームは終わっていないとも言える。そしてこの感想はヌルゲーマーのオレのもので、百戦錬磨のシューティングファンであれば、用意周到にマップを潜り抜け敵を倒し、難なくクリアした方が殆どであろう。しかしこの《S.T.A.L.K.E.R.》が、《Half-Life 2》以降の最も注目すべきFPSであったということには異論は無いのではないか。リアルシューティングに近いと言われている火器の性能と種類、クリアするための進路とは何も関係無いのにも拘らず作りこまれた広大なマップと建造物、それらはレベルデザインという言葉を全く無視した、文字通り「一つの世界を作る」為のみに費やされた膨大な熱意と労力であったと思う。ここまで作りこんだ製作者の執念には尋常ではないものさえ感じる。完成まで何度も頓挫し、ゲームデザインをマイナーチェンジした部分も多数あるとは聞くが、それを鑑みてさえ、このゲームの完成度には鬼気迫るものがあると思う。

このゲームにはチートコードは存在しないらしいが、MODを使ってプレイヤーの好きなようにカスタマイズ出来る部分は多数あるらしい。今回のクリアまでにはこのカスタマイズは全く行わなかったが、今度このMODを使ってマッチョなシューターと化し、最初のプレイでは回れなかった部分やクリアしていないミッションを試してみるのも面白いかもしれない。
■S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chernobyl_Wiki 
■【ストーカー: シャドウ オブ チェルノブイリ】 攻略 

S.T.A.L.K.E.R.:Shadow of Chernobyl英語版

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