ダイハード4.0 (監督:レン・ワイズマン 2007年 アメリカ映画)

良い子のみんな!なかなか死なないマクレーン警部補のダイハードが「4.0」になって帰ってきたよ!しかし「4.0」ってなんだろね!その後バージョンアップして「4.01」とか「4.0ServicePack2」とかが出るのかな!?いろいろと謎の多いタイトルだね!お話のほうは謎も何も無い単純明快のジェットコースターアクションムービーだから心配しなくても大丈夫だ!しかし前作から12年も空いたとはいえ、ダイハードファンのオレとしては復活は嬉しい限りだね。今回の敵役はサイバーテロリストだよ!ハッキングなんかしちゃうなんて悪い人たちだね!こういうオレ様もカワイコちゃんにハートをハッキングされた事があるよ!…さて座が白けた所でサイバーテロリストだ!交通や電気などの都市インフラを制御するコンピューターがハッキングされて都市機能が麻痺しちゃうんだ!都市システムがダウンすると現代なんて簡単に石器時代にもどっちゃうんだね!とっても怖いね!さてそこで登場するのが人間自体がもともと石器時代マクレーンだ!とりあえず体力だけならキーボード叩くしか能の無いハッカーに勝るよ!でも敵ハッカーはジェット戦闘機の通信までクラックするツワモノだ!体力と知力、どっちが勝つか!?今回はハッカー少年も助っ人に立つから心強いよ!

という訳で『ダイハード4.0』である。このテのアクション物が大好きなオレには実に楽しめる作品でありました。もうなにしろハッカーの皆さんのせいで全米の機能が停止し、あたりはパニックに至り、マクレーンは敵と戦争状態で、銃撃・爆発・破壊と街中どこもかしこも瓦礫の山ですよ!何故軍隊が出てこないか不思議なぐらいだが、マクレーン一人で一個中隊ぐらいの戦闘力があるということか!?脚本はこれまでのシリーズで一番穴だらけだしアクションも有り得ないシチュエーションがあり過ぎではある。証拠隠しに小物ハッカーたちを次々と抹殺する所からサイバーテロの実態が浮き上がってくるのだけれども、どうせ通信も遮断されるし当局の記録なんて簡単に改ざん出来そうだし、わざわざ殺す必要なかったんじゃん?とか、発電所のシステムは閉回路だから外からハッキング出来ない為、中に乗り込んでゆくテロリストだが、ガス流通網を操作して発電所を爆破出来る位なら最初から爆破してしまえよとか、交通機関が麻痺している筈なのにラストでは高速道路をトレーラーでガンガン飛ばしてたりとか、それ言っちゃうとお話が成り立たないという部分でインチキしちゃってるのが惜しいかな。まあこういうのは勢いで観ちゃうんだよ勢いで!それにどんな無理っぽいシチュエーションも「兎に角この人は死なない人だし」と思えればとりあえずOKだ!だって丸腰で戦闘ヘリやジェット戦闘機とタイマン張って勝っちゃうんですよ?それを可能にしてしまうアクションシーンをひねり出してくれるのだから、細かいことはこの際大目に見よう!あと今作も小火器のバリバリ言う発射音がとてもよく再現されていて、「撃ち合い場面は射撃音が命」と思っているオレも納得の行く出来であった。まあなにしろとっても面白い映画だからみんなも観に行くといいさ!

出演者の話をするとマクレーン役のブルース・ウィリスが年老いたとはいえ餅は餅屋なダイハード野郎ぶりを演じていて、この人いろんな映画に出てるけど、やっぱり原点はここだよなあ、と思わせる好演。ハッカー青年マット(ジャスティン・ロング)もなかなか好印象で結構役柄的に雰囲気がはまっていた。敵役のスーパーハッカーの人(ティモシー・オリファント)は酷薄そうな表情がいいが今回はアメリカ人で、これまでの3作の敵役がヨーロッパ人らしい退廃の臭いをさせていて、それがダイハードの色だった事を考えると、ちょっと青いかな、という感じ。スーパーハッカーの恋人であり同じくテロリストのクンフー姉ちゃん(マギーQ)はオレ好みのオリエンタルビューティーであったが、ハッカーには見えねえかな。マクレーンの娘役の人(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)はちょいと活躍する場所が無くて地味であった。そして監督はレン・ワイズマンですか。この人『アンダーワールド』『同レボリューション』というビジュアルはいいんだがイマイチ物語的に整理されてない作品を撮っていた人で、どうかなあ、とか思ってたが結果的には大作続編の監督をそつなくこなしていたようだ。

ところで日本におけるサイバー犯罪はどういうものが多いかというと、1.オークション詐欺、2.猥褻画像配布、3.違法コピーソフトウェア、だそうである。…なんか意外とセコイ犯罪ばかりですね…。やっぱり都市機能を麻痺させるほどのハッキングってテロリストぐらいじゃないとやっても意味ないもんな。それにウィザードと呼ばれるほどのハッカーはお金には興味なさそうだし。さて1作目で超高層ハイテクビルを、2作目でワシントン・ダレス空港を、3作目でニューヨーク市を、そしてこの4作目でアメリカ全土を、と、作品毎にどんどんワルモノ達がパニックに陥れる範囲が広がってゆくダイハード・シリーズであるが、やはりこうなると5作目では地球の危機を救う事になるのかブルース・ウィリス!?しかしそれって『アルマゲドン』!?そして6作目では宇宙の危機を救うのか!?いやそれは『フィフス・エレメント』じゃないのか!?やっぱりこれでは敵役のインフレ起こしすぎだから、7作目は原点に帰っていたいけな少女を救うとかだな…。ああああこれは『シン・シティ』!?

■DIE HARD 4.0 Trailer