オレとロシア! (その2)

■ダー!ダー!ダー!ロシア漁船員がやってくる!
ロシアン・マフィアがいる位ですからオレの町ではよくロシア人を見掛けました。漁船員だけではなく、商用で滞在している方もいらっしゃるんじゃないかと思います。そういった一般のロシア人はまあ普通に過ごしてるんですが、評判の良くないのがロシア人漁船員のミナサマで…。なにしろ手癖が悪いんだとか。
まず、店の外にワゴンセールなどの名目で置かれている商品、これみんなかっぱらって行っちゃうんだそうです。あちらの国では店の外に出している品物は商品ではないと思われている、なんて話も聞きましたが実際どうなんでしょう。なにしろそのせいで、ロシア船が入港したら、商店街では店の外に出している商品をみんな中に仕舞ってしまうようになったそうです。「狼が来たぞ〜ッ!」って感じだな…。あと食堂で食事の際に出されたスプーンやフォーク、これも持ち帰ってしまうんだとか。
実はオレの母親は地元でスナックを経営していた時期があり、ロシア人漁船員もよく来ていたそうです。そんな母親の店もある日ロシア人船員の窃盗にあってしまいました。ロシア人客が店に来て、ちょっと目を離したら姿を消している。よくあたりを見渡して見ると店に置いてあった石油ストーブが無くなっていたそうです。しかし火の点いたストーブをですよ!いったいどうやって抱えて行ったんだロシア漁船員!!今頃ロシアのどこかではオレの母親が使っていた石油ストーブが燃えていることと思われます…。

■わたしの父はロシア人
そんな母の店に来るロシア人にも馴染みの客が何人かいたらしく、オレが里帰りした時はユーリだのアレクセイだのロシア人の名前が話に出てくるのでなんだか面白かったでした。「ユーリはねえ、ちょっと子供っぽいの」だの「アレクセイは割りと男前よ」などと語る母親…。いや、母親のお店なんざベタベタに和風のひなびた小料理屋だったんですけどねえ。その店のカウンターにロシア人たちが並んで座り、「スパスィーバ」とか「オーチンハラショー」とかロシア語を連呼していたのかと思うとなにか可笑しかった。お土産で貰ったらしいロシアの貨幣もよく見せられました。まあ母親なりに楽しんでいたんではないかと思います。
母親は離婚して独り者だったので、オレ等兄弟は「いいロシア人がいたら結婚しちまえよ!義理の父親がロシア人って話のネタになるから!」などとよくからかっていました。だからひょっとして今頃オレの苗字はエレムチェンコとかボドリャギンとかシャポシュニコフだったかもしれません。で、毎日ウォッカでへべれけに酔ったロシア人の父に収容所での暮らしや強制労働の惨さやKGBへの密告の話を聞かされて…って、いったいどういう父親なんだよ!ところで本当のことを言うと、今まで隠していましたがオレの本名はフモノフスキーって言うんですよ。(いや嘘だって!)

■ロシア人さんいらっしゃい!
↓の写真は昔の日記でもUPしたことのある写真です。(元記事)オレの住んでた町の駅前商店街なんですが、ロシア人客を当て込んで看板がキリル文字になってるんですよ。ある意味ロシア人客のほうが地元のお客よりも重要な収入源になっているということなんでしょね。逆にロシア人専門で日本人お断り、なんて店もありましたね。見たことはないのですが北海道にはキリル語併記の道路標識があったり、ロシア語を教えている公立学校があったりするようです。