カーク・ディジョージオ、クリック・ハウスなどを少々

■PLANETARY FOLKLORE 2 + 1 / KIRK DEGIORGIO PRESENTS AS ONE

PLANETARY FOLKLORE 2 + 1

PLANETARY FOLKLORE 2 + 1

KIRK DEGIORGIOの新作はなんと97年にMo Waxからリリースしたテック・ジャズ名盤「Planetary Folklore」の続編です。約10年も温めてきた彼のプロジェクトということだけあってそのクオリティーは間違いありません。ルーツでもあるソウルやフュージョンの影響が伺える美しいアレンジ、綿密に織り込まれたエッジの効いたビート、デトロイティッシュなコズミックシンセ、全てがとにかくしなやかで暖かい!
http://www.newtone-records.com/index2.php?id=n_t0022079

デトロイト・テクノ組では最もエモーショナルで美しい音を聴かせるカーク・ディジョージオの新作はジャズやソウルの匂いをさせた実に落ち着いた旋律を持つテクノ・アルバム。ジャズ的であるとかそういうことよりも様々なブラック・ミュージックのスピリッツをテクノサウンドにより再構築したような音。そして今作でもイメージ豊かで叙情に満ちたコズミック・ソウルを奏でている。2006年の最後を飾る傑作テクノアルバム。

■Fabric27 - Matthew Dear As Audion / Audion

Fabric 27

Fabric 27

ロンドンの大バコ〈Fabric〉の人気ミックス・シリーズに、大傑作『Suckfish』も記憶に新しいオーディオンことマシュー・ディアが登場! ヴィラロボスやロバク・ヴルンにフランソワKも激押しで大注目のAME“Rej”を筆頭に、自身のトラックも使用して、地を這うファットなグルーヴの上を細かくカットアップされたウワモノがパーカッシヴに飛び回るクリック・ハウスの理想型的ミックスに! この界隈からはまだまだ目が離せない!
http://www.bounce.com/review/recommend.php/15270/?K=%C0%D0%C5%C4+%CC%F7%C7%EE

クリック・ハウスはあまり聴かないのだが、これは買ってから暫く放置していたものを再聴してみたら妙にはまったという1枚。プチプチパチパチと最小限の音で展開してゆくので最初は退屈だったのだが、じっくり聴いてみるとじわじわと脳内で音の粒が反響して独特のグルーブ感を生み、するめでも噛むように味が沁みて来る。たまにはこんなのもいいかな。

■The Idiots Are Winning / Holden

The Idiots Are Winning

The Idiots Are Winning

古くはSashaのプロデュースからBritney Spearsの「Breathe on Me」など数々のプロダクションやリミックス・ワークでその天才ぶりを発揮するJames。彼のバック・ボーンであるローファイのギター・サウンドやバンド・サウンドの影響が見事に反映された、ノイジーなサウンドからアンビエントまでレーベルカラー同様、一瞬で聴く者を引き込む幅広いサウンドで絶対的な存在感を見せる貫禄の1枚。
http://www.towerrecords.co.jp/sitemap/CSfCardMain.jsp?GOODS_NO=1358502&GOODS_SORT_CD=101

非常にエッジの強い尖った音がバリバリと耳を襲って来る感覚が気持ちいいHoldenのミニアルバム。先鋭的なエレクトロニカの音を聴かせる優れたセンスを持っていると思う。アルバムには2分ほどの無音のトラックまで設けているのは愛嬌か。惜しむらくはこの鮮烈な音源でフルアルバムをリリースして貰いたかった所。収録時間が短い。もっと聴かせろ!