こんな並び方は嫌だ

オレはちいちゃいことにうるさい人間である。いつもちまちましたことを気に掛け、些細なことに腹を立て、つまらぬことで苛立っている人間なのである。それは人間自体が小さいからではないかと言う声が遥か彼方から木霊のように聞こえてくるが、寄る年波に聴覚も衰えているのであえて聞こえないことにするのである。さてそんな小物なオレ(悪かったな)の神経を最近逆なでしているのは「並び方」である。特に電車待ちのホームでの並び方である。極々単純な話、あれは2列になって並んでいりゃあ済むもんなんである。何も難しいことも悩むことでもないのである。それなのにどうも解せない並びになっている時にオレは逆上するのである。

1.一人しかいない先頭の人間の後ろに並んでしまう
2.さらに後ろに並んで三人一列に並んでいる
3.次の列でやっと二人横に並ぶ
4.前の人間とかなり間を開けて並ぶ
5.そのせいで前はスカスカの並びなのに、後ろはホームの壁につかえて人が団子になって立っている
6.既に並びが出来ている列の横に立って電車が来たら間から入るのを狙っている
7.既に並びが出来ているのに新たな並びを作ろうとしている
8.停車した時の扉の位置がホームに表示されているのに、全然別の場所に並びが出来ている
9.それを横目で見ながら正しい扉の表示位置に立って電車が来て乗ろうとすると横入りしたかのように睨まれる
10.電車が停止位置からずれて停車した時に、既に並んでいる人を無視してさっさと横から入ってしまう

…等など。これらの複合技で、綺麗な二列縦隊になるはずの並びが、なんだかアメーバみたいなぐじゃぐじゃな塊と化してるんである。もう、こんなだったらいっそのこと並んで欲しくない、むしろ並ばないでくれ、適当にやってくれ、とオレは言いたい。そして考えるに、ホームに並ぶ(っていうか並んでない)皆さんはそんなことどうでもいいだろ!自分さえ先に乗れればそれでいいんだよ!と思ってるのかもしれない。そうなのか。そうなのだろうか。このようなちいちゃいことで憤慨するオレが間違っているということなのであろうか。苦悩は増すばかりである。