黄昏のクレプスキュール

クレプスキュール・フォー・カフェ・アプレミディ

クレプスキュール・フォー・カフェ・アプレミディ

  • アーティスト: オムニバス,アンテナ,キャシー・クラレ,ペイル・ファウンテンズ,ポール・ヘイグ,ミカド,ウルトラマリン,フレンチ・インプレッショニスツ,ロイ・ネイザンソン・カルテット,ボーダー・ボーイズ,アズテック・カメラ
  • 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
  • 発売日: 2001/11/28
  • メディア: CD
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クレプスキュール・フォー・カフェ・アプレミディ2

クレプスキュール・フォー・カフェ・アプレミディ2

Ghosts of Christmas Past

Ghosts of Christmas Past

クリスマスということでクリスマス・ソングのCDなぞをネットでつらつら探していたら見つけたのが1982年、ベルギーのクレプスキュール・レーベル(Les Disques Du Crépuscule)から発表されていた《Ghosts Of Christmas Past (Remake)》。アンテナ、ペール・ファウンティンズ、ミカド、アズテック・カメラ、ドルッティ・コラムなど、ニュー・ウェーブ全盛だった80年代当時、インディペンデンド・レーベルの華だったメンツが集合して作られたクリスマス・ソング集です。実はこのアルバム、発売当時ヴィニール盤で購入しており、押入れを探せば出てくるかもしれないけど、なにしろターンテーブルはずっと前人にあげちゃったので再生は無理。CDは廃盤みたいで入手困難みたい。ジャケットのバージョンが幾つかあるみたいだけど、取り合えずオレが持っていたバージョンのジャケット写真をUPしておきますね。

当時はラフ・トレード、ファクトリー、4AD、チェリーレッドなど非常に良質の音源を発信するインディペンデント・レーベルが多数存在し、オレも気に入って結構ヴィニール盤を購入しておりました。その中でもこのクレプスキュールはベルギー産ということで、他のUKのレーベルとは違ったヨーロッパの香りのするポップでカフェ・ミュージックっぽいお洒落さと落ち着きに満ちていました。曲調もロックっぽいものは少なく、ミディアム〜スローなボサノヴァやフォークタッチのものが多かったです。特にアンテナとミカドが好きだったかな。ちなみにクレプスキュールとは「黄昏」という意味。
さてもう少し探してみると、このクレプスキュール・レーベルの20周年記念コンピレーションが2作発売されていたの発見、早速購入してしまいました。聴くとこれが懐かしい懐かしい、上記のミカドやアンテナらを始め、アンナ・ドミノ、ヤング・マーブル・ジャイアンツ、オレンジ・ジュース、ジョン・ケールマイケル・ナイマン、トーマス・ドルビーまで入ってるじゃないですか。そしてそのどれもが今聴いても色褪せない素敵なポップ・ミュージックの香りをさせています。ミカドの「Par Hasard」、アンテナの「Noelle A Hawaii」のキッチュなフレンチポップぶりは今聴いても悶絶しそうなぐらい可愛らしい歌だなあ。アズテック・カメラ「Hot Club Of Christ」は楽しいクリスマスソング・メドレー!トーマス・ドルビーの「Airwaves」は時折歌声がデビッド・ボウイに聴こえてきて胸が高鳴ります。ドルッティ・コラムやヤング・マーブル・ジャイアンツの繊細さ静謐さはこれをよく聴いていた20代の頃に戻されてしまいそう。
クレプスキュール・レーベルの音源の楽しい所はその不器用だがカジュアルな演奏と、リラックスした雰囲気、そしてどことなく儚げな所です。エレクトリックな音も使われますが、これがまたチープで可愛らしい玩具の様な音ばかり。マーケットを意識しない地元主義的な製作態度が逆に親しみやすく何か人懐っこい優しい音にしているのでしょう。当時のUKニューウェーブが好きで落ち着いたカフェ・ミュージックを探されている方に是非お薦めしたいです。来年の2月には80年代当時発表されていたクレプスキュールのコンピレーション・アルバム《From Brussels With Love》の再発が決定しているようです。これもテープで持ってたんだよなあ。また買い直さなきゃ。
(おまけ)うあっミカドのライブ映像がYouTubeにあったよ。
■《Mikado - Un Naufrage En Hiver (Live)》http://www.youtube.com/watch?v=aab6idOEkDw
《Les Disques Du Crépuscule》リリース詳細http://www.discogs.com/label/Les+Disques+Du+Cr%C3%A9puscule
オフィシャルHP《The Crepuscule and Factory Pages》http://home.planet.nl/~frankbri/
From Brussels With Love

From Brussels With Love