夏休み納涼特別企画!夏だ!ホラーだ!チキチキ・SFホラー2本立てマラソンレビュー!!《その④》

ダーク・ウォーター

ダーク・ウォーター [DVD]

ダーク・ウォーター [DVD]

NYのはずれの老朽アパートに引っ越してきた母子が怪異に見舞われるという話であるが、映画の間中ずっと雨が降っているし、部屋はいつも雨漏りして管理人に言っても直してくれないし、おまけに真上の部屋はと言うとなんだか水浸しだし、要するにいつもずぶ濡れで鬱陶しくてしゃあなくなったお母さんが鬱になっちゃうというお話である。さらに別れた旦那が親権よこせとか言ってがなり立てるし、その娘はというとクーソーのお友達とお話しているという有様だ。こりゃノイローゼでお化けのひとつも見ちまうってもんである。もういやあああ!なのである。だいたい湿気ると自律神経に変調をきたすものらしい。実は夏の汗ばんだ体が夏バテの原因だという話もある。こまめにシャワーなりお風呂に入ることが大切なのだが、この映画のユーレーは風呂場を好んでよく出てくるからタチが悪いな。
スリラーとしては”行方不明の家族”ときて屋上の給水タンクが冒頭で大写しにされる段階で既にネタバレなのであるが、見るほうもそれはわかっちゃってるのであろうから気にしないことにしよう。しかしあの水を飲料にしているわけですからね。さぞやオエエッという状態になっていると思われますがそういう描写はありません。オレはオバケよりもむしろそっちのほうが気になるんですが。
ジェニファー・コネリーは子育てノイローゼで眉間に皺寄せまくってますがそれでも彫刻のようにお美しいです。子役はホラーのせいか良くも悪くも陰気臭いです。それよりも老朽アパートのロケーションがこれまた陰気臭かったな。勿論本物の建物ですが実際にアパートなんでしょうか。でも映画では安普請を強調してましたがオレのボロアパートの25倍ぐらいはまともな住居だと思いました。そういえばオレん所の部屋の天井にも雨漏りの染みが…キャアアアッ!


■キラー・クラウン

キラークラウン [DVD]

キラークラウン [DVD]

宇宙からやってきたそいつらはピエロの格好をしていた!というお馬鹿全開100%のホラー映画です。宇宙船はサーカスのテント状、怪しい武器から飛び出るのはポップコーンだし(実はモンスターの胚芽らしい)殺した町民はピンクの綿菓子に詰められちゃうし、ワンちゃんの風船細工が追跡用機械だし、パイ投げのパイは人を溶かしちゃうし、こんな風に万事が万事サーカスに引っ掛けた、茶目っ気たっぷりの殺人宇宙人の皆様です。多分そんな宇宙人は銀河系のどこ探しても居るわきゃあ無いと思いますが、この有り得ない悪乗りZ級テイストがgoodであります。ピエロの造型も宇宙船や宇宙人の乗り物も徹底してポップでキッチュ、お馬鹿で軽薄、不気味で楽しいデザインになってます。
こういうのって80年代のセンスなんですが、どうしてあの頃はこういったピカピカペラペラしたものばかり流行ったんだろうなあ。皆さんバブルで浮かれていた時期だったからですかね。テーマソングはモロにチープトリックでした。
この愉快な王道Z級ホラーを手掛けたのは『チーム・アメリカ』の人形製作で知られるキオド・ブラザース。以前にはやはりB級コミカルホラーの『クリッター』も製作しており、また、『グレムリン』や『ロボコップ』、『ダークマン』にもその名を連ねています。日清カップヌードルの「Are You Hungly?」というCMでマンモスを動かしてたのもこいつらだったんだって。基本的にはストップ・モーション・アニメを駆使した人形アニメを得意としているようなのですが、今回の『キラー・クラウン』では殆ど実写で頑張っているようです。ホラー映画マニアなら憶えておくべき名前でしょう。
ちなみにピエロというのは正確には泣き顔のメイクをしたものを指し、それ以外は広義ではクラウンと呼ぶのが正しいのだとか。