PREY (Windows)

パソコンFPS、『PREY』はSF的な世界が舞台となっている。
主人公はネイティブアメリカンでありチェロキー族の青年、トミー。彼はガールフレンドの経営する小さな酒場で乱闘に巻き込まれるが、その直後、緑の妖しい光りに包まれ、ガールフレンドやチェロキー族の長老共々宙へと吸い込まれてゆく。気が付くと、そこは生物と機械が融合したような異様な巨大建造物の中であり、そこには異形の生物達が奇妙な装置を操作していた。窓の外を観ると星々の瞬く暗い空に青い地球が浮かんでいる。彼は、異星人に誘拐されたのである。ゲームはこの異様な宇宙船の中を駆け巡り、ガールフレンドを救いここから脱出する為に異星人たちと戦うさまを描く。


グラフィックスエンジンは「DOOM III」エンジンを独自にモディファイしたもの使用、『DOOM III』に似たギラギラヌメヌメと輝く生物的な宇宙船内部と不気味な異星人たちの質感を高い画像処理で描写している。『Duke Nukem 3D』『Max Payne』で有名な3D Realms社が企画、製作したHuman Head Studios社はかつて中世ヴァイキングの世界を描いたファンタジーアクション『Rune』を手掛けていたらしい。あれ、結構面白いゲームでした。全体的に残酷描写や血の量が多めで、スプラッターホラーとしても楽しめるゲーム内容になっている。


ゲームの特徴は重力転換装置や空間転移装置が使われている宇宙船内での、床や天井の上下を無視したトリッキーな主人公のポジショニング。この装置を使い、行けない場所に行ったり、取れないアイテムを取ったりなどのパズル的な要素がゲームに付加されている。
また、チェロキー族に伝わる超能力、スピリチュアルパワーを使う事により精神を肉体から遊離させ、入る事の出来ない壁を抜けてスイッチを入れたり、見えない道が見えるようになったり、鷲の霊体が戦いやゲーム進行をサポートしてくれたりする。
面白いのは主人公の体力がゼロになった時で、普通ならここでゲームオーバーだが、『PREY』ではここで幽界にワープして空を舞うスピリットを狩り、その数によって体力と霊力を戻して再び現実世界へと還させるのだ。だから実質ゲームオーバーの無いゲームということもできる。オプションで難易度調整が見当たらないのだが、どうもゲームプレイに応じて難易度や体力を調整してくれるシステムのようだ。
また、チェロキー族の血と神秘性がこれからのゲーム内容に深く関わってくる事も想像され、先の重力転換によるフレキシブルな場面進行と合わせ、極めてユニークなFPSゲームに仕上がっていると思う。


PREYオフィシャルHPhttp://www.prey.com/flash.html


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