それは干からびていた

ある日のことであった。
その日は飲みに行っていたので遅くに帰ってきたのだが、実はアパートの部屋で結構大変な事が起こっていたのである。
その日の朝結構早く目が醒めたので、当日の晩飯の仕込みでもしようとなにやら野菜を切って煮ていたオレだった。
朝の段階ではその日飲みに行くことになるとは思わなかったのである。
実はこの時、会社に出る前に火を切っていたつもりがとろ火になっていたのだ。
即ち鍋の中の野菜どもはそのままオレが帰ってくるまで18時間あまりグツグツ煮られていたのである。
当然水分は全て消し飛び、オレが帰ってきた頃には鍋の底にはミイラ化したかつて野菜だったものがこびりつき、恨めしげにオレの顔を見上げていたのであった。
そのあまりにも惨い光景に野菜ミイラは鍋ごと捨ててしまったのであった。
それよりも火の元をきちんと確認しないのはヤヴァイことであったな。
あぶねえあぶねえ。