アフリカ・リミックス (森美術館)

六本木ヒルズにアフリカ美術展「アフリカ・リミックス」を観に行ったよ。

これまでにない大規模なスケールでアフリカ現代美術を紹介するエキシビション「アフリカ・リミックス」。世界的な4つの美術館(クンスト・パラスト美術館(デュッセルドルフ)、ヘイワード・ギャラリー(ロンドン)、ポンピドゥー・センター(パリ)、森美術館(東京))による国際的なプロジェクトとして既にヨーロッパで大成功を治めた本展は、広大な面積、多種多様な文化と歴史、民族を持つアフリカ大陸全土にわたる25カ国から、84名のアーティストによる約140の作品を一堂に集め、絵画、素描、彫刻、インスタレーション、写真、映像、家具などあらゆるジャンルのアフリカ美術の多様性を表現する。
http://www.jvcmusic.co.jp/-/Discography/-/VICP-63408.html

”アフリカ美術”といってもアフリカの伝統的民族工芸といったものではなく、ネイティブ・アフリカンや混血も含むヨーロッパ在住のアフリカ系黒人の手による現代美術展ということになります。紋切り型になるけど、やっぱりそのプリミティビティと色彩の眩しさは現代アフリカ美術でも貫かれていて、観ていて心躍るし楽しいんだよね。現代美術にありがちな頭でっかちでもったいぶった難解さは薄めだが、21世紀的なインテリジェンスはきちんと感じられて、さらにフィジカルでありスピリチュアルであるその豊かさはやはりアフリカならではのものだと思いました。
アフリカには誰もが知っているような”負の歴史”があり、その傷跡が伺える作品もあるにせよ、どこか皮肉っぽかったり自嘲的だったりする。暗い歴史の”暗さ”ばかりに目を向けない精神の柔軟さとユーモアを感じる。そして大陸の広さを感じさせる作品のあまりにも多様な表現のあり方にも眼を奪われる。どの作品も面白くて2時間以上ぶらぶらしてました。黒人音楽を聴いていても顕著に思うことだけれど、やっぱりさあ、強力なタフネスがあるんだよね。黒人は、なんて言ってる場合じゃない。オレもタフに生きなきゃ。そういった意味で非常に充実した美術展でした。


森美術館HP : http://www.mori.art.museum/html/jp/index.html