《JAGATARA》

オレのセーシュンのいちページといえば、それは《JAGATARA》である。今は無き日本のファンク・バンドである。バブル華やかなりし20代の頃、田町のはずれにあったライブハウス『芝浦インクスティック』、ここでジャパニーズ・ダブ・レゲエ・バンド、MUTE BEATらと行われていたライブイベント《東京ソイ・ソース》、オレはここの常連であった。《JAGATARA》の演奏の持つ日本人離れしたパワーとスピードは、海外を含めた凡百のバンドを鼻くそポーンとばかりに蹴散らす恐るべき熱気に満ち満ちていた。
どんどんと加速してゆき終いには成層圏までも突破してしまうかと思うほどの疾走感。
観客はダンスなんてしない、自分も他人も関係なく一塊の肉体と意思となり、音楽に合わせいつか天へと届けとばかりに延々と跳躍し続ける。
その後《JAGATARA》はリーダーの江戸アケミの変死によりバンドは解体し、一つの時代を終えることになる。
オレは今でも、演奏後にクラブの2階で休んでいる江戸アケミに話しかけてビールをぶっ掛けられたことを、愛しい思い出のように、勲章のように、心に刻んでいる。
今回YouTubeで、そんな《JAGATARA》の演奏風景を見ることが出来た。時代のアダ花となった奇跡の様なバンドだったと、今見ても思うオレである。

『タンゴ』
http://www.youtube.com/watch?v=ehFqm6IEUQA

『裸の王様』
http://www.youtube.com/watch?v=OPacLHMkQCY