タイ・アクション映画2連発!!

この連休はたっぷり映画を堪能しましたが、その中で抜きん出て面白かったのが『トム・ヤム・クン!』をはじめとするタイのアクション映画。先日に続き今日は『7人のマッハ!!!!!!!』『 ダブルマックス』の2本のタイ映画を紹介します。


7人のマッハ!!!!!!!

ムエタイラグビー、体操、テコンドー、そしてセパタクロータイ王国を代表するナショナル・チャンピオン達。彼等が滞在した村を突然ゲリラが襲った。危機に直面した村を救うため、自らの競技で培った肉体と技で戦いを挑むアスリート達。俳優なんかいらない! 本物のアスリート達のド迫力なアクションと、「マッハ!」のアクション監督が率いるチームの合体! 劇中、トラックからの落下シーンも生で実現!? 危険なシーンの連続だ!

『マッハ!』『トム・ヤム・クン!』でアクション監督を務めたパンナー・リットグライの監督作品です。”マッハ!”が7人だから”!”マークも7つあることに注目!(って日本でつけられたタイトルだけど)
初っ端から麻薬結社と麻薬Gメンとの激しい銃撃戦とアクションが展開されますが、コンテナー車上での戦いでは「あわわわわわ!」と思わず叫んでしまいそうな危険なスタントが披露されます!危機一髪の文字通り髪の毛一本の差で危機を逃れる様は冷や汗ものです。
さてそんなアクションが終わって場面は変わり、舞台は山深くにひっそりと佇む小さな村。ここにタイのトップ・アスリート達がボランティアの為に慰問します。「ああ、ここでアスリートたちが村の長老かなんかに、「実はお願いがありますのじゃ…」とか言われて何かの事件を解決しに行くのかな」と、ほのぼのとした村の光景に心暖かくしていたら大間違い。


なんと、突然やってきた謎の軍隊に村人たちが機関銃で次々と虐殺されていきます!
もう女子供老人関係ありません!無抵抗な村人たちをなぶり殺しです!
「なんじゃああこの映画ァアァ!!」いきなりの展開にしばし呆然です!
逮捕された麻薬結社の首領の解放を要求する軍の反乱分子の仕業だったんですが、「要求を呑まなければ皆殺しだああ!」と、人質にとった生き残りの村人をまたもや殺害します!


鬼畜映画だったんだ、これ。


そんな鬼畜ゲリラ部隊を自らの手で打倒しよう!と生き残ったアスリート達は反逆の戦いを繰り広げていくのですが、機関銃相手にサッカーや機械体操で応戦する!という”有り得な”さがいい!誰だこんなこと考えたのは!しかしそれがまたうまくアクションとしてはまっていて楽しいんですね。


で、主人公らと蜂起した村人達ですが、何しろ素手&一般人なもんですから、またもや大量虐殺!!


いったいこの村には何人人がいるんだ??


そして最後には大爆発まで待っているのですが、いやあ、なんなんだこのパワーは。ここまでやってくれ、とは誰も言ってないぞ!予想やお約束を次々と裏切ってゆく破天荒さ、お行儀のいい中庸さで満足しない「見せられるものは全て見せる」というアクション魂。これらにサービス精神というよりもアクションに対する意地みたいなものを感じた。



■ダブルマックス

ダブルマックス [DVD]

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任務の失敗によってボディガードの仕事を解雇された男が、何者かに差し向けられた殺し屋に命を狙われる物語を描いた、「マッハ!!!!!!!」のペットターイ・ウォンカムラオが監督・脚本・主演で贈るタイ発のアクション・アドベンチャー

『マッハ!』でも熱演していたペットターイ・ウォンカムラオの主演&初監督作。ペットターイ・ウォンカムラオは、タイでは知らない人はいないという人気コメディアンなんだとか。
トニー・ジャーもちょっとだけ顔を出しますが、登場するのは後半ほんの1,2分のみ。「《マッハ!》のあんたか!?」なんて劇中言われるぐらいだから友情出演程度のものなのだろう。ただ劇中彼だけ体の切れが全く違うという所は凄かったが。
それを抜かすと、ちょっと愛情がないと見れない部分もあるのだが、このスカスカした物語展開もある意味気持ち良いものがあるかもしれない。同じアジア映画でも中国や香港や韓国の映画ってオレにはちょっと暑苦しいのである。暑苦しいと言われるオレが言うのも何なのだが。
スカスカとは書いたが、アクションあり恋あり笑いありとなんでもありの盛り沢山で、この構成は昔の日本の正月映画みたいなもんじゃないかとちと思った。あんまり映画観ない人も正月だけは映画館に行って、お腹いっぱいにして帰っていく、みたいな。だからタイの映画エンターティンメントというものがかの国の人たちにどういったレベルで求められているのかをこれを観ながら想像するのも悪くない。笑い一つにとっても、なんだかのんびりしたテンションでさ。
主演のペットターイ・ウォンカムラオはおむすびみたいな顔をしているけれど、そっかぁ、こういうタイプがタイでは受けるのか!?アクションはナニではあったが、これはこれでいいんじゃないかと。酔拳ならぬディスコダンス拳はちょっと新しい、と思った。流行ると面白いかも。無いと思うが。あと『マッハ!』でヒロインやってた女の子も出ています。