オレとブラ子を囲む夕べ

またもやブラ子を買ったのである。ブラ子とmomoko、そして綾波だのアスカだのが部屋にいったい何体あるのか判らなくなってきた。それに加えて昔買っていたSPAWNのフィギュアが200体近くいるのである。既にオレの部屋は『人形の館』と化しているのである。『人形の家』はイブセンであり広田美枝子なのである。
『♪顔も見たくないほど
あなたに嫌われるなんて
とても信じられない
愛が消えたいまも
ほこりにまみれた人形みたい…』


さて今回買ったブラ子は例によってCWCのネットショップ経由なのだが、独り者なんで配送先は会社にしてもらったのである。その届いたばかりのブラ子を会社の女子の皆さんにお披露目してみたオレなのであった。ちなみに会社の女子の皆さんはオレの日記の存在を知っているので、オレがオニンッギョ趣味の怪しいオヤヂだということは既に認知済みなのである。


「どうよどうよ。これがブラ子っすよ。グフフ。」
瞳に暗い輝きを湛えて箱からブラ子を出すオレ。
「わー、可愛いじゃないですか。洋服も細かいですね。」
結構興味しんしんな女子の皆さん。
「ほうらほうら、ブラ子は瞳の色が変わるんだよううう。」
既に別世界に旅立ったかのような口調でブラ子の目の色を変えてみせるオレ。
「綺麗ですねー、あ、小物も付いてるー。」
危ない目つきのオレは取りあえず放っておいてブラ子を眺める女子たち。
「サングラスにイアリングだ、ほれ、ハイヒールも付いてるようう。グフフフフ!」
既に絶好調なオレは何者をも寄せ付けぬ不気味な哄笑をあげた。
「これ、夜中に目が動いたりとか髪の毛伸びたりとかしないですか。」
ホラーなオヤヂにホラーな質問である。
「しないよう。キャワイイブラ子がそんな怖い事するわけ無いじゃないかああ。」
もはや言ってることが訳がわからない。
そして…暴走するオレをもはや誰も止める事が出来ないのであった…。
(ってか既に放置。産廃遺棄状態。)


こうして獣は、いや珍獣は野に放たれたのである。