蜂の巣騒動

会社のKちゃんから聞いた話。
Kちゃんの実家のある町で、ある年、蜂が大発生し、蜂に刺される被害が大量に起こったらしい。
町のここかしこには猛威を振るう蜂たちの巣が大量に発見されたという。
町ではこれを処理するために、町の人たちにこれを見つけたら速やかに通報するように通達した。


その甲斐あってか蜂の巣の処理は進み、蜂騒動も下火になったある日、Kちゃん一家は外でバーベキューでもやろうと家の庭先だったか近所の広場だかに出掛けたのですね。
ところがそのバーべキューグリルを設えた所が、なんとまだ発見されていなかった蜂の巣の真下。
それとも知らずに料理を始めたら、来るわ来るわの蜂の群れ、Kちゃん一家はほうほうの体で逃げ出したんだとか。
蜂の巣、まだ全部見つかってなかったんだねえ、とぐったりしながら家族で話していると、それを聞いていたK家のおばあちゃん、「わたしはあそこにあることは知っていたよ」と突然爆弾発言。


「ええっ、知ってたんなら何で教えてくれなかったんですか!」と詰め寄るK家家族。
するとおばあちゃん、しれっとした顔で、
「ああ、あとで巣ごと獲って蜂の子を食べたかったんだよ。珍味だよ。」などとのたまうではないか。
蜂の子、蜂の幼虫を食べたいだなんて、精を付けたかったのかな、おばあちゃん…。
おばあちゃんの密かな食欲の為に家族皆蜂に刺されて大変な目に遭ったとは。
ってか一言言ってくれよおばあちゃん、とK家一同憤懣やるかたない思いでおばあちゃんを睨んだとか睨まなかったとか。


それよりもおばあちゃん、町にまで秘密にしていた蜂の巣を、いったいご老人一人でどうやって取るつもりだったんだろう…。
それに、取ったら取ったで、山のような量の蜂の幼虫を一人占めして食べるつもりだったのかな。
いや、お裾分けして貰ってもたじろぐがなあ。
…蜂の子って、美味いんですか?(好奇心は猫をも殺す)