Gペンとオレ

マンガ家修行の第一歩、それは石森(石ノ森)章太郎の《マンガ家入門》を手にすることから始まる。当時のマンガ少年にはこの本はバイブルでした。
用紙はケント紙。ペンはGペンかぶらペン。インクは黒インクまたは墨汁。ペン軸は長いので切り落したほうがいい。定規は長定規、三角定規2種、雲定規。長定規はインクを引きずるので、下にマッチ軸を2本挟み用紙から浮かせること。などなど。
当時マンガ少年の間ではペンはGペンがいいのかかぶらペンがいいのかが話題になりました。鋭角的で硬い線のGペン。柔らかい曲線を描くかぶらペン。
取り合えず両方試してみましたが、良い悪い以前に、ペンにインクをつけて描くことがおそろしく難しかった。あいまいな線でも誤魔化す事の出来る鉛筆なんかと比べ、ペンで描く描線は誤魔化しが効きません。下手な絵ははっきり下手にしか見えない。と言う訳で己の画力の無さに絶望した小学生のオレの夢はあっさり潰えましたとさ。