開け

アジの開きなどをいただいて食す。しかし自分でアジ買ったりして食べたことってないのである。ホッカイドーではアジの開きってあんまり食べないんじゃないかな。そのまま習慣で、今でもアジは特にどうでもいい魚だったりする。
そういえば東京でサンマの開きを見たときはびっくりしたなあ。あれは開いて食すものだという頭がなかったもの。サンマは季節になって大量に獲れたものを新鮮なうち丸ごとガシガシ焼いて食う。あとサンマのしょう油煮とかにする。サンマの開きは食べたけど脂が抜けて美味しいと思わなかったなあ。でもなぜかサンマの刺身というものもこっちにきてから初めて食べた。
魚の開き、というのが全然無かった訳じゃなくて、ホッケは開いて一夜干しにしたな。そもそも馬鹿でかい魚だから、開いたほうが保存しやすいんだろう。あと開きではないが、カレイも一夜干しにすることがあったな。
魚を開いて干すとたんぱく質アミノ酸に変わって美味しさが増すということなのだろうが、新鮮なものがどんどん獲れるので、わざわざそんな手間かけないんだよ。なにしろオレの育ったところは有名な漁港で、親戚が船員だったから、おこぼれをやまほど貰えたんだよ。憶えてんのはタラが豊漁だったときかなあ。ほぼ1週間毎日タラのフライ食わされてたよ。
あと東京に来て初めて食べた魚は『かつおのたたき』かな。何故か地元では食べなかったな。『たたき』という調理法自体があまり顧みられていなかったんだと思うよ。でも食べたらとても美味しかったね。
それとさざえも食べなかった。沿岸でつぶ貝が獲れたから、わざわざ運送してまでほかの貝を食べる必要が無かったんだろう。つぶ貝はよく食べたなあ。ちょいとした豆知識だけれど、つぶ貝などの内臓、要するに身を取ったときに付いてくる”しっぽ”みたいな緑色の部分、あれって食べました?微妙な苦さがあって苦手な人は苦手かもしれないけれど、オレは子供の頃から好きだったなあ。(苦いもの好きな変なガキだったもんなあ。さんまのわたとか大好きだったし。)でもあれ、食べると酔っ払うって知ってる?神経毒が含まれているんですよ。少量なら害は無いのですが、アルコールと一緒で、大量に摂ると死亡する事があります。実際地元で、つぶ貝の内臓食べ過ぎて亡くなった人って本当にいるんだよ。あとねえ、子供の頃、あの内臓の部分を「貝のうんこ」と呼んでました…。「うんこ」とか呼んどいて食うなよオレ。