長いお別れ

以前のガールフレンドとメッセする。何故と言うわけでもなく疎遠になっていて、そしてその理由はどこかにあったのだろうけど、今は昔の話のような気がして、だからそれは胸にしまっておく。
ただこうして時間が経ってみると、それほど健康ではなかった彼女のことが気になって、一度でいいから声を掛けたかった。元気かい、と訊くとやはりそれほど芳しくはないようだけれど、健康には気を付けるよ、と言ってくれた。そういえば誕生日だったんだね、と言ってメッセの画面に大きなバースデーケーキを出してくれた。嬉しかった。
あの頃のようでもあり、そして確実にあの頃ではなかった。なにか不思議な時間だった。

決してお別れを言った別れではなかった。だから、こうしてまた話せて、そうして多分お別れの言葉のようなものを言えて、それだけでこれは幸福なことだったのだろう。
「オレは君のいい思い出になれただろうか?」
「なったよ!」
ありがとう。ありがとう。
本当に、ありがとう。