(アリス補足)ドリームチャイルド

ドリームチャイルド [DVD]

ドリームチャイルド [DVD]

それは1862年、オックスフォードでのあの「金いろの午後」--。ママ(ジェーン・アッシャー)や姉妹たちとのテムズ川でのボート遊びの日。アリス(アメリア・シャンクリー)にそそがれる愛情のこもった先生の視線。彼はアリスに愛情をこめた手紙をいくつも書いていたが、それはママが燃やしてしまっていた。そのことを知っているアリス。そのボート遊びの時、ドジソン先生は、不思議な物語を話してくれた。どもりながらも必死に話すドジソン。それから一年、ドジソン先生は『不思議の国のアリス』の初版本をアリスに渡し、大人になっても大事にもっていて欲しいといった。--
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD11132/comment.html

やっとDVDになるようです。
ロリ云々の話は置いておきましょう。多分キャロルは、アリスの中に、自分の子供時代という「帰ってこない永遠」を見たのだ。そして愛する、という事はファウストの物語にもあるように「時よ、止まれ。君は美しい。」*1と想う事なのではないか。あの日、「金いろの午後」の中で、キャロルはアリスの中に決して年老いる事の無い不滅性を、つまりはこの刹那という名の永遠を、垣間見てしまったのだと思う。「不思議の国アリス」の物語の奇妙に断裂したエピソードの連なりは、一瞬の夢が雲母の薄片の様に重なり合った物語だからなのだと思う。∞+∞=∞。即ち「不思議の国のアリス」とはひとつの永遠についての物語だったのではないか。そしてその永遠を統べるものとはキャロルのアリスへの愛だったのだろう。

*1:時よとまれ、お前は美しい!私の地上の日々の痕跡は 永劫へと滅びはしない その幸せの予感のうちに 今味わうぞ、この至高の瞬間を《ゲーテファウスト