さすらい

昨晩は飲みに行ったのだが終電を逃してしまう。午前0時半ぐらいだったかな。タクシーに乗ろうとは思ったんですけどね。なんかそれも詰まらなくてね。というかつまらないとかそういう問題でも無いんですけど。オレ、そこから歩く事にしたんですよ。飲んでいた場所の近所の駅からアパートまで4駅分あるんでしょうか。まあ、歩けない距離でもない、と踏んでね。そもそもそんなに早く帰る理由もないし。
でね。テクテク夜道を歩いてたんですけどね。そしたらね…30分ぐらい歩いて、逆方向に歩いてる事に気付いたんですよ…。ええ、その時点で負け犬なんですけどね。で…引き返しましたよ。出発地点までね。…最初からやり直しなんですね。しかし…さらに道を間違え…結局アパートに着いたのが4時半でした…。悲惨なのが近所まで来たのにもう一度道を間違えた事だな。まあなんというか、本当に無駄の多い人生生きてますよね…。4時間歩いてたんですかア。最後の方なんて足が上がらなくなってたもんなあ。膝に来ちゃって。今も死んでます…。
でも悔し紛れじゃ無いけど、夜の道ってたまに歩くと面白いもんでしたよ。飲み屋街の外れの公園にはみすぼらしいおっさんが立っていてね。どうもポン引きみたいなんだよね。非合法なやつのね。あと、パトカーと救急車がサイレンけたたましくどこかの路地へ入っていったが、何かの事件だったのかなあ。川沿いを歩くとね。灯りの点いた、釣り船みたいのが川のど真ん中に浮かんでるんだけど、よく見るとそれ釣り船でもないの。川の真ん中に係留されてるんだけど、なんのためにそこにいるか分からないの。人の気配も無かったしね。橋の上では、白い傘をさした男が自転車に乗ってグルグル回ってた。住宅街を通ると、行き先の方向で怒鳴りあう声がした。酔っ払いが喧嘩しているらしい。あんなに喚き回っている喧嘩も久しぶりに見たなあ。3時半ぐらいになると空もうっすらと明るくなるのだけれど、「ああ、オレって、いつもこのぐらいの時間にやっと寝てるんだよなあ」とか思うと神妙な気持ちであった。
途中、多分起きているであろう知り合いに《終電逃したんで歩いてる》とかメールしたら《いい大人なんだから車ぐらい捕まえなさい》とたしなめられました…。面目ない…。