べこ餅

昨日コメント欄で《べこ餅》の質問を受けたのだが「あれ?なんだっけ?FUMOわかんない★」とかシナ作っていた気持ちの悪いオレなのであった。で、その後ソッコー検索。そして出て来た写真を見て、「あああ、これよく食ったよ!!」と思い出す。
 
(これです!)
《べこ餅》は北海道独特のお菓子らしい。実家にいたときは普通に食っていたのだが、言われてみると内地に出てきてからみた事が無かったような気がする。写真のように笹の葉をかたどったお餅です。また、もう一つの写真のように模様の入ったものも確かあったような気がする。笹の葉型が一般的でしたが、この黒っぽい色って黒砂糖の色なんですね。中には餡などは入っていません。黒砂糖って素朴な甘みがあって、精製した砂糖にはないホンワカしたおいしさがありませんか。そういう味のお餅だと思ってください。食感はいろいろなサイトで言われている所によると「あべし」だか「ひでぶ」だかに食感が似ているそうです。…すいません「ゆべし」でした。(バレバレ)逆にオレは「ゆべし」というものを食べた事が無いのでなんともいえないんですが。
そして、何故笹の葉の形なのか?というと、これはオレの推測なのですが、笹って北海道にとてもよく植生しているんですね。内地とは明らかに植物相が違っていて、これは北海道自体が広大な泥炭地だからなのですが、貧しい土地でしか生きられない植物がよく生えているのです。例えば北海道名産のように言われる玉蜀黍や馬鈴薯などは、実は荒地に生える植物なんですよね。また、それ以外の農産物に関しても貧しい土地に客土して、ようやく植生として馴染ませているんですね。メロン、ワインのブドウ、ビールのホップなどは北海道の主要な農産物ではあるにしろ、北海道原生では決してなく、開拓時代から様々な試みを繰り返す事によってここまで完成された農産品として収穫できるようになった訳なんですよ。そもそも北海道自体が開拓されてから100数十年、歴史の浅い土地ですからね。
処でなぜ《べこ餅》というネーミングなのか?というとこれは諸説あって、米粉=べいこ餅、つまりもち米からではなくうるち米から作った餅である、との説がありますね。あと捏ねて形にするまえの形が牛=ベコに似ているからだ、という話、ベッコウ色だから、という話などがありました。ただ、オレ自体は《べこ餅》と呼んでいた記憶がありません。笹の形をしていたので《笹餅》と呼んでいたような気がします。

もとをたどれば、道南や東北北部で祝い事や法事のときに食べる「くじら餅」がルーツだと思われます(確証はありませんが…)。
食べてみると、「餅」というわりには伸びや腰があまりないことに驚く方がいるかもしれません。もともとべこ餅というものは、もち米から作るものではなく、上新粉白玉粉で作るものであるため、お餅のシンボルともいえる「伸び・粘り」が少ないものなのですが....... 《べこ餅》http://www.h7.dion.ne.jp/~ezokashi/wagashi/bekomochi.htm

レシピなどはこちらで。
http://www.hokuren.or.jp/greenweb/fan/keiji/index0106.html
実家にいた頃はお店で買ってくるのではなく、近所のおばあちゃんなどが作って配っていた、という記憶があります。また、作られる時期は端午の節句の時期、となっていました。そうだったかも。