錫ジョッキ

錫製のジョッキが欲しいと思ったわけですよ。
オレは明日をも知れぬ飲酒愛好家でありますが、ビールが一番好きです。酒はその種類によって酔い方が違い、オレにはビールの酔い方が一番心地よいのです。主にビールは缶で買い、大体はそのまま缶に口を付けて飲みますが、時にはちゃんとグラスやジョッキに移して飲むときもあります。本当はグラスなどに移して泡立てて呑むのが一番美味しいのです。オレはこの時用に大きいビールジョッキを2個持っています。やはり薄いガラスのコップより厚手のガラスで出来たジョッキのほうがビールの保冷に適しているからです。そしてさらにそのジョッキは何時もは冷凍庫で冷やしてあります。先ほどの理由から、室温のビールジョッキなどジョッキの意味が無いからです。飲み屋で室温のジョッキで生ビールを持ってこられると、それだけでオレの中で飲み屋の評価はがた落ちになります。
ただこれだけうるさい事を言っておきながら、ビールは冷えていれば冷えているほどよい、という極端な好みがあります。実際、ビールの美味しい温度は冷えているほどいいわけではありませんので、これはあくまでもオレ自身の好みです。なにしろ、冷凍庫で霜が付いたぐらいジョッキに注がれたビールが一番好きです。あと冷凍庫に突っ込んで半分シャーベット状になったビールも結構好きだったりします。こんなもの好むのはオレだけだろうなあ。
さてそのビールジョッキですが、何時もはよく見かけるガラスの物を使っているのですが、この間映画「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」のスペシャル・エクステンデッド・エディションのDVDを見ていたら、《エドラスの宴》のシーンでレゴラスギムリのビール飲み比べのシーンが出てきたんですね。もともと飲み物といえばビールばかり出てきてオレ的には嬉しい物語なのですが、この宴のシーンのギムリの飲みっぷりが八方破れで楽しい!ジョッキを何個も積み重ね、これでもか!といって飲んでいる。その時は陶製のジョッキが撮影で使われていたんですが、なんかこんな感じのゴツイジョッキが欲しくなってきたんですね。《ロード・オブ・ザ・リング》風のジョッキがね!

で、ネットで調べてみると、ちょっと気になったのが《錫製のジョッキ》。あるサイトの口上によると錫製品というのは「不純物をろ過し、舌触りをまろやかにする錫の酒器 熱伝導がよいうえ保温性・保冷性にも優れているので熱燗、冷酒、冷えたビールがさらにおいしく味わえる逸品です。」というではないですか。ビールの泡立ちも他のジョッキと比べても絶品だとか!古来より錫器は水を美味しくものとして重宝されているのだそうです。また、酒の徳利、特に神器で使うものはもともと錫製なのであり、陶製のものは後に作られたものだということです。
「我が国の伝統的な錫製品の代表的なものは、神社仏閣で使用しているお神酒徳利である。そのため古くは神酒徳利を"錫"と呼び、転じて中身の酒もさすようになった。埼玉県北部の秩父地方や児玉地方では、今日でもお神酒徳利のことを"おみきすず"と呼んでいるが"お神酒錫"とは、神酒徳利が錫で作られていた名残りの名称である。」錫師の歴史と技/http://www.saitama-j.or.jp/~suzukou/suzusi.html
錫器の魅力/http://www.kougei.or.jp/crafts/0810/d0810-5.html
ほう、面白い。もともと日本では錫の埋蔵量は多くなく、割と貴重な金属だったのらしいですが、近年では埋蔵量の多いマレーシアなどから輸入されるようになり、(マレーシアは錫製品の有名な国だったのですね)最近では様々な製品が作られるようになったのだとか。「錫職人の匠の技」っていうのもなんだかカッコイイ。これはちょっと買ってみたくなりました。で。お値段を調べると、オレの欲しいようなビールジョッキで¥7000〜¥10000也…。た、高いっス!!!ネットショップでいろいろ見てますが…高いが欲しいなあ〜。