マグナカルタ (PS2)

マグナカルタ

マグナカルタ

マグナカルタである。「でっかいカルタ*1」という意味である。嘘である。マグナカルタは韓国産のRPGである。イギリスの大憲章のことではない。*2
先日紹介した「HALO2」にハマっている筈じゃあなかったのか!?と思ったかもしれないが、なんだかついふらふらと別のゲームも買ってしまったのである。これでは幾ら時間があっても足りないのである。そして17日にはPCゲーマーにとっての最大のイベント、「Half-Life2」の発売が控えてるじゃないか!!もう毎日がゲームの自転車操業である。まさに阿鼻叫喚のゲーム地獄である。はてなの更新なんてしている暇なんかねーんである。してるけど。
さてゲームだが。基本的に、TVゲームのRPGって、タルくなってきたのね。アニメ絵のキラキラした少年少女が愛と勇気と冒険を繰り広げる御伽噺に付いて行ける歳じゃないのである。オレ的にはダレた中年男と訳ありの女が劣情と欲望の腹の読み合い・化かし合いを繰り広げる夢の無いハードボイルドのほうが似合ってるのである。…いや、似合ってる、とか書いたけどこんな話はやっぱり嫌だな。こんなオレでもファンタジーは欲しいのである。こう見えて夢見がちの中年だからである。(悪かったな!)ただ現行の一般的なゲームの絵のセンスではなんだか拙く感じてね。結局、「ゲームキャラの絵はこれでいいだろ」みたいな誰が決めたわけでもない一般論みたいなのが蔓延(はびこ)っててさ。これはマンガにも言える事なんだけど、結局みんな同じ絵になっちゃうんだよね。作り手としてはマーケティング的に誰にでも受け入れられやすい、見た事があるような絵、を使っちゃうんだろうけどさ。そして人気が出たら続編、続編で売るわけでしょう。なんかちょっと保守的になってきたんではないのか、と、一言言ってもみたくなる訳なんですが。
そこでこの「マグナカルタ」なんですが。韓国産ゲームと書きましたが、ゲームキャラを手がけているキム・ヒョンテという人の絵がとても魅力的なのだ。いや、一般のゲームキャラ的フォーマットに則(のっと)ってはいるけれど、その描く所の絵のセンスが抜きん出ている。こういう絵に見慣れた人でもはっとするものがあるんですよ。
ゲームキャラの絵ってどうしてもありがちな物になるか、個性的に描こうとしてゴテゴテしたものになるかどちらかで、例えば最近のファイナルファンタジーのキャラコスチュームってゴテゴテしてるだけでセンスねーなーと思ったけどな。あとゲームキャラの顔とヘアスタイル。これ、最近の日本のゲームって、人気のTVタレント・アイドルの顔をちょっとづつミックスして作り上げてるのがちらほら見られるんですね。これもFFあたりから始まったんですが、これが気持ち悪くて。そもそもTVタレント・アイドル自体がオレ気持ちワル、と思ってるんで。あと男のツンツンしたヘアスタイルのゲームキャラ。あれもみんな同じ顔に見えちゃうんだが。
どうもこういう「御馴染みのセンス」に辟易とした所でのキム・ヒョンテの絵の登場だった訳です。彼の絵はゲームキャラ的装飾過多の部分と、墨絵の如きシンプルで奥深いトーンの部分が渾然一体となっていて、とても新鮮に感じるわけなんですよ。色彩的にも基本色が黒・白・グレー・アイボリーで統一されている所が美しい。
マグナカルタ」はこの絵の魅力で引っ張っているゲームであるといっていいと思う。しかし、例えば物語の根幹を成すテーマも「復讐」であるし、そして「異民族との対立」である所が興味深い。この「異民族」って、モンスターでもエイリアンのことでもないんですね。この辺に韓国の政治的背景を感じ取る事もできるんですよ。勿論ゲームは政治的なものとは何一つ関係ないでしょうが、こういう物語の骨子を作り上げられる所にもう一つの面白さを感じました。
ゲームシステム、ロード時間等でゲーマーの間では賛否両論のゲームではありますが、少なくともオレにとってはこのゲームは「買い」ですね!(てか買ったけど。面白いよ、やっぱり)

*1:かるた(歌留多)は、ポルトガル語cart(英語ではcard)に由来し、元々はトランプなどのカードゲーム一般を指した。出典: フリー百科事典『ウィキペディア (Wikipedia)』

*2:マグナ・カルタ(大憲章、だいけんしょう、Magna Carta: ラテン語、the Great Charter: 英語)はイギリスの憲章で、ジョン王の権限を限定する。ラニーミードにおいて1215年6月15日に制定された。63か条から成る。すべての条文はその後廃止されたが、前文は廃止されずに現行法として残っており、明示的な憲法を持たないイギリスにおいて、事実上、憲法の一部である。出典: フリー百科事典『ウィキペディア (Wikipedia)』