妖怪のはなし

水木しげるが好き、というので会社のKさんに水木の本を貸してあげる。そのKさんが。
「FUMOさん、私、妖怪と会った事があるんですよ。」
「??え、何なに??」
「幼稚園ぐらいの時。神社の境内で遊んでたんです。夕方でした。神社の縁石を悪戯して、持ち上げようとしてたんです。そうしたら。なにか変な気配がして、力を入れていた手からすっと力が抜けたんです。変な気配をしたほうを見たら、これが私の頭の上、そこは鳥居だったんです。FUMOさん、確か水木の妖怪に、“鳥居の上から落っこちてくる妖怪”っていませんでした?」
オレは否定しない。…妖怪は、見た人の心の中にいるんだとオレは思う。