奇妙な話。


「ねえ…。…。」
「?」
「怖い話していい?」
「…えっ。ヤダよ。と言うか今の間の空け方ですぐ判ったぞ。なんか凄い嫌〜な間の空け方だったぞ。」
「じゃあいいや。」
「…どんな話?…お化けとか出る?」
「出ない。でも気持ち悪いの。」
「む…。聞かせなさいよ。」
「あのさあ、パソコンって、何にもしないで突然点いたりする?」
「しないよ。少なくともオレのは。」
「私さあ、寝てたのよ。で、パソコンが突然点く夢見て目が覚めたら本当に消してあったパソコンがブ−ンッって点いたのよ。」
「そりゃお化けの仕業だよ。」
「嘘!」
「嘘嘘。…う〜ん。電磁波とかかなあ。電磁波でTV点いたり電子レンジ点いたりするって話聴いたことがあるよ」
「夢は?」
「人間って何かの理由で目が覚めるときその目が覚める一瞬のうちに“目が覚めたストーリー”を夢としてこさえて脳にインプットすることが出来るんだよ。あたかも夢で見たことが現実で起ったように感じちゃうけど、実際は現実に起ったことを脳で処理して記憶上は時系列が逆だったように感じることがあるらしいよ。なんかの本で読んだ。」
「へー。」
「電磁波だよ」
「でもさ。なんじゃろ、って思って一回消してまた寝たらさ。また点いたんだよ。オマケに今度はアウトルックが立ち上がってるの。」
「前に使ったアプリケーションが再起動後に起動したんじゃないの」
「だって私アウトルック使わないの。全部フリーメールだから。」
「それ、霊が君にメールを送りたかったんじゃないの。」
「え〜。」
「(てかオレ、パソコンのほうのメアド教えてもらってないんだけど)やっぱ呪われたり恨み買ったりしてない?」
「ないよ〜恨みなんか買わないよ。」
「ていうかそれオレの恨みかな」
「なんじゃそりゃ!」