バスに乗る

函館駅ロータリーから目的地へのローカルバスの時間はPM6時40分。」って所から続けよう。
実を言うと函館から目的地への交通手段って良くわかんなかったんですよ。調べる暇も無かったし。このローカルバスって奴も、「多分これだろう」というオレの希望的憶測によって成り立つ何の根拠の無い選択だった訳なんですよ。
普通、人間は、こういうとき、せめてそれが正しいのかどうか、人に訊くなりして確認とりますよね。ところが、オレ、 人に物訊くのが大嫌いなんですよね。「多分大丈夫だろう」と思ったら、それは既に大丈夫なんですよ。
賢明な読者(って読者いるのかよこの日記)の皆さんならこの後の展開を既に予想されているでしょう。そう、このバス、目的地に行かなかったんですよ。
いやー、途中で、なんかおかしいな、と思ったんですけどね。普通、人間は、こういうとき、おかしいなと思ったら、バス運転手に訊くなりバス降りるなりしますよね。しかし、オレは、「ま、なんとかなるだろう」 と、自分で手を下さないくせに事態が都合の良い方向に勝手に行ってくれるだろう、行けばいいな、行くんじゃないかな、と手をこまねいて夢の世界に旅立っちゃうんですね。
そもそも、オレという人間の行動の規範は、
「思いつき」
「行き当たりばったり」
「気分次第」
なのだ。さらにその行動全てを統べるオレ自身のセントラルドグマ
「学習能力が皆無」
という血の十字架を背負っているのである。
よく、友人なり付き合ってる異性の本当の性格を知りたかったら一緒に旅行をしてみるといい、なんて言われるが、オレという人間は、多分、一緒に旅行をさせたらサイテーの人間だと思うね。今回の旅でも自分で思ったもの。もし今回誰かと一緒にいたら、一緒にいた人間は絶対キレるだろうね。
そうやって2時間あまり。午後9時近く。バスに揺られていたオレが最後に辿り着いたのは、街路灯一つ無く、まばらな民家にさえ家の灯りが点いてない、真っ暗な山の中のバス・ターミナルなんであった。そして、そこで、この鈍い男はやっと気付いた。
「此処、何処なんだ?」
遅いよ。あまりに気付くのが遅いよオレ…。
次回に続く。(ホントかよ)