その2:北海道

ところで。「函館に向かうことにした」はいいのだが、オレが住んでるのは東京都内。交通はやはり飛行機になるだろう。で、ネットで羽田=函館の空席を調べたが、これが、殆ど無い。これが木曜の夜。しかし、「どうにかなるだろう」と金曜日は特に何も考えず朝から空港へ行く。で、当たり前だが、本当に空席が無い。結局PM2時ごろの飛行機を見つけるが、この段階で、AM9時。チケットは買えたが、時間が余りすぎる。
で、何をしたかというと、アパートにもう一回戻って荷造りをし直す。さらに有楽町に行って白シャツと黒ネクタイを調達する。白シャツはクリーニングに出しててこの時点で無かったんである。で、もう一度空港へ。もうこの時点で、オレがいかに無駄の多い生き方をしているか察した人も多いだろう。(…)
PM4時ごろ、函館到着、空港〜JR函館駅へバスで行く。実は親戚の家はここからさらにバスのローカル線に乗って長旅しなければならないのだ。
それにしても函館の駅は20年ぶりぐらいじゃないか?と思う。オレの実家自体は北海道の、というか日本の一番北、最北端の地稚内というところにある。函館は北海道の南端。にもかかわらず、街並みのスカスカした寂れた様子、空一面にアルミ板を打ち付けたような鈍色の空、バスの移動中見かける原野の植生など、どこまでもが妙に実家に似通っていて、偏頭痛のようなデジャ・ビュに悩まされた。ああ、北海道は何処までも北海道だ。
函館には路面電車が走っていた。此処だけなんだかレトロな風情があって、オレは少し函館が好きになった。今や何処の地方都市も風景が一緒な気がするけど、やっぱり地方都市はこういう“独特さ”が必要なんじゃないかな、とかガラにも無くジャーナリスティックに思うオレであった。